2019年10月23日
増富温泉 「増富の湯」②
「先生の神通力は、大したものですね」
「さすが、“天気の子” です」
「いや、天気のオジサンですね!?」
バスの中は、笑いに包まれました。
台風20号から変わった温帯低気圧の影響で、昨日は朝から東日本は大雨となりました。
時おり強い雨が降る中、前橋駅と高崎駅から一行を乗せたバスは、上信越自動車道をひた走っていました。
NHK文化センターの野外温泉講座 「名湯・秘湯めぐり」。
この講座の講師となって、丸10年が過ぎました。
11年目の今年は、古参の受講生らからアンケートを取り、「もう一度行ってみたい温泉」 を再訪しています。
今月の講座では、5年ぶりに山梨県北杜市の増富温泉へ行って来ました。
ご存じ、世界最高レベルのラジウム含有量を誇る、日本を代表する放射能温泉です。
「あの強烈な体験が忘れられません」
という圧倒的な人気に押され、2回目の湯めぐりとなりました。
※(詳しくは当ブログの2014年7月23日 「増富温泉 増富の湯」 参照)
「ほら、日が差してきましたよ!」
僕は誇らしげに、空を指差しました。
「凄すぎます! 青空までのぞいています」
「ずーっと、みなさんのために、天に向かい念じていたのですよ」
受講生らは過去の奇跡を知っているだけに、完全に僕の神通力を信じきっています。
これまでに何度となく雨天の講座日はありましたが、必ず現地に着く頃には晴れているのですから。
今回も日帰り温泉施設の 「増富の湯」 にお世話になりました。
部屋で旅装を解いて休憩をした後、三々五々と浴室へ向かいました。
25℃、32℃、35℃、37℃と温度の異なる浴槽が並んでいます。
25℃は足を入れただけで、パス!
32℃から、ゆっくりと体を慣らしながら温度を上げていきます。
放射能泉ではありますが、正式な泉質名は、含二酸化炭素-ナトリウム-塩化物炭酸水素塩温泉です。
だから、なめると塩辛いし、微量ですが体に泡の粒が付きます。
鉄分も多く含んでいるため析出物が多く、黄褐色ににごっています。
上がり湯として用意してある浴槽が、42℃のゲルマニウム鉱石風呂です。
無色透明ですが、体の芯まで良く温まります。
「放射能泉は、湯あたり、湯ただれをしやすいので、長湯は禁物ですよ。自分の体調とよく相談して、午後の入浴を楽しんでください」
とりあえず講師らしいことも言いつつ、みんなで湯上がりのビールを飲み干したのでありました。
さて来月は、どこの秘湯へ……
令和元年度後期講座は、はじまったばかりです。
Posted by 小暮 淳 at 12:22│Comments(0)
│温泉地・旅館