2024年09月23日
牧水に魅せられて
<静岡県沼津市。風光明媚な千本松原の入り口にある乗運寺に行ってきました。ここに歌人の若山牧水 (1885~1928) が眠っています。墓参は長年の夢でした。>
これは9月14日の読売新聞群馬版に掲載されたエッセイの書き出しです。
<牧水と弟子のK-君 (門林兵治) は四万温泉に別れを告げ、中之条駅から電車に乗り、正午に渋川駅に着いた。2人はここで別れることになっていたため、駅前の小料理屋にて別杯を挙げた。>
これは9月20日発行された高崎市のフリーペーパー 「ちいきしんぶん」 に掲載された 『令和版みなかみ紀行 牧水が愛した群馬の地酒と温泉』 の第4話の冒頭部分です。
依然、僕の牧水熱は冷めやみません。
いえいえ、以前よりヒートアップしている感じです。
では、なぜ、そこまで牧水は僕を魅了し続けるのでしょうか?
群馬県を訪れた文人墨客たちは、あまたといます。
しかし、その中でも若山牧水は異例中の異例、別格の存在だからです。
彼は8回も来県し、延べ約60日間も滞在しています。
そして13編の紀行文と約400もの歌を世に残しました。
僕は短歌のことは、よくわかりません。
それでも牧水に惹かれるのは、彼の人となり、人間性、そして何よりも “温泉” と “酒” をこよなく愛したところです。
群馬県内の温泉大使と地酒大使を務める僕が、牧水に興味を持ち続けるのも当然なことなのかもしれませんね。
温泉に入って、酒を呑む……
ただそれだけで、人生を語ることができますもの。
たぶん僕は牧水に対して、同じ穴のムジナを感じているのかもしれません。
「ちいきしんぶん」 の 『令和版みなかみ紀行 牧水が愛した地酒と温泉』 では、名紀行文 「みなかみ紀行」 で牧水が訪れた全温泉地をめぐり、たぶん、その晩に牧水が呑んだであろう酒を造った酒蔵を訪ねています。
牧水と同じ湯に入り、牧水と同じ酒を呑めば、おのずと牧水の心境になれるのではないか?
そして、時代を大正から令和に移し、令和版の 「みなかみ紀行」 を書いてみたくなったのです。
シリーズは、いよいよ後半に突入します。
法師温泉を後にした牧水は、笹の湯 (現・猿ヶ京) ~湯宿温泉 (みなかみ町) ~老神温泉 (沼田市) とめぐり、県境を越えて日光を目指します。
ご期待ください。
Posted by 小暮 淳 at 12:25│Comments(0)
│執筆余談