2024年09月25日
便利×お得=ZERO
過日観た映画 『もしも徳川家康が総理大臣になったら』 の中で、突然、群馬県庁の昭和庁舎が出てきてビックリしました。
なんだか近年、やたらと映画やドラマの舞台に群馬県内が登場すると思いませんか?
テレビ局や制作会社が集まる東京から近いという利便性が大きいと思いますが、それだけではないようですね。
いわゆるフィルム・コミッショナーという撮影を支援する団体の熱心な誘致活動の賜物のようです。
今話題の映画 『ラストマイル』 にも、見知った群馬の風景が出てくるというので、遅ればせながら劇場へ足を運んで来ました。
開始早々、いきなり見たことのある風景が!
あれ、どこだっけかな?
あ、遠くに榛名山が見えるじゃんか!
そーだよ、そうそう、高崎市の 「Gメッセ群馬」 であります。
主人公の満島ひかりさんと岡田将生さんが出会い、階段を上るシーンは、1階のエントランスホールです。
そして、多くの派遣社員が出勤するシーンは、2階の展示ホールコンコース。
行ったことあるぞ! 見たことあるぞ!
と、テンション上げ上げで画面に釘付けになりました。
脚本は野木亜紀子さん、監督は演出家の塚原あゆ子さん。
2人が手掛けたTBSドラマ 『アンナチュラル』 『MIU404』 と同じ世界線上で物語が展開する作品として、話題を呼んでいるのだそうです。
でも僕は、どちらのドラマも見ていないので、逆に純粋に作品を楽しめたかもしれませんね。
物語は、世界規模のショッピングサイトから配送された段ボール箱が次々と爆発するサスペンスです。
なぜ、狙われたのか?
犯人の目的は何なのか?
次第に謎が明かされていくのですが、僕は終始、腑に落ちない何かを感じていました。
僕はスマホも持たず、ネットショッピングもしません。
だからでしょうね、現代の物流と配送の世界が、こんなにも “便利” と “お得” の 「お客さまファースト」 に振り回されていることを知りませんでした。
スクリーンに映し出される物流倉庫の中の風景は、まるで未来の世界でした。
コンピューター制御により、次々が商品がベルトコンベアーの上を流れていきます。
1秒の遅れが、何十万、何百万、何千万の損失になるといいます。
でも、これが令和の今の現状なんですね。
恐ろしい映画です。
人間を人間として雇用しない世界
血が通っていない人間関係に、だれもが疲れ切っている社会
人と人が手渡しで物を売り買いしていた昭和の商店街の、なんと温かかったことか……
令和人のみなさん!
そろそろ、便利とお得な世の中に、ノーって言いませんか!?
Posted by 小暮 淳 at 12:18│Comments(0)
│シネマライフ