2024年05月28日
いちめんのなのはな
おうい雲よ
ゆうゆうと
馬鹿にのんきそうぢやないか
どこまでゆくんだ
ずつと磐城平(いはきたひら)の方までゆくんか
(山村暮鳥 『雲』 より)
詩人・山村暮鳥(ぼちょう)のことは知らなくても、この詩を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか?
特に我々世代には、強烈に記憶に残っているフレーズです。
では、どこで聞いたのか?
この詩に触れたとき、僕はすぐに思い出しました。
アニメ 『巨人の星』 です。
主人公・星飛雄馬の初恋の相手、看護師の日高美奈が2人の時にそらんじていました。
子どもの頃、学校でもはやり、みんなで 「おーい、雲よ」 なんて空を眺めながら大声を出した思い出があります。
僕が山村暮鳥という詩人を知ったのは、それからずっと経った大人になってからでした。
暮鳥は明治17(1884)年、群馬県西群馬郡棟高村(現・高崎市棟高町)の生まれです。
同じく、郷土の詩人・萩原朔太郎 (1886年、前橋市生まれ) に興味をいだき、資料を読み解くうちに、暮鳥の存在を知りました。
大正3(1914)年、室生犀星 (1889年、石川県金沢市生まれ) と共に3人で、「人魚詩社」 を設立します。
と、まあ、その辺までが僕が知っていた事前知識でした。
今回、群馬県立土屋文明記念文学館で開催中の企画展を見て、さらに興味が湧きました。
一番の驚きは、その名前です。
「暮鳥」 って、何よ?
その疑問が、解けたのです。
山村暮鳥の本名は、木暮八九十(はっくじゅう)といいます。
名字に 「暮」 の字があったのです。
しかも、「こぐれ」? いや 「きぐれ」 かも知れませんが、急に親近感が湧いてきました。
でも、展示資料の中には、一切、ルビがふられていないので、読み方が分かりません。
ということで、学芸員に尋ねました。
すると……
「“こぐれ” なのか “きぐれ” なのかは、不明なんです」
残されている資料には、すべて読み仮名がふられていなかったとのことです。
いずれにせよ、遠い遠い先祖が一緒のような気がします。
朔太郎同様、暮鳥についても今後は、関連本を探して読み深めていこうと思います。
興味のある方は、ぜひ、企画展を覗いてみてください。
第122回企画展
『いちめんのなのはな』
教科書で出会った詩人 山村暮鳥
●会期/会期中~2024年6月9日(日)
●時間/9:30~17:00 (観覧受付は16:30まで)
●休館/火曜日
●料金/一般500円、大高生250円
●問合/群馬県立土屋文明記念文学館 (高崎市保渡田町2000)
TEL.027-373-7721
Posted by 小暮 淳 at 13:32│Comments(2)
│ライブ・イベント
この記事へのコメント
美奈さん・・・今朝拝見して涙なみだです(笑涙)
先日から昭和のキーワード続きですね。
私も思い出しました。あのシーン。
けっこうな(再笑)お話、興味深いです。
今週末は太田市に移転再オープンしたドンキに行くのが楽しみです。
先日から昭和のキーワード続きですね。
私も思い出しました。あのシーン。
けっこうな(再笑)お話、興味深いです。
今週末は太田市に移転再オープンしたドンキに行くのが楽しみです。
Posted by たけちゃん at 2024年05月29日 12:32
たけちゃんさんへ
ドンキに入ったら外国人に注意してください(笑)
ドンキに入ったら外国人に注意してください(笑)
Posted by 小暮 淳
at 2024年05月29日 19:33
