2024年05月20日
あなたの職業なんてーの?
知り合いの新聞記者に訊いたことがありました。
「新聞記事で、“自称” っていう肩書きを見かけるけど、あれって何?」
逮捕された容疑者の名前の前に、「自称・会社員」 「自称・ユーチューバー」 などと付いている “自称” のことです。
記者いわく、「記事の掲載時では、裏が取れてない状態」 とのことでした。
時間的な問題のようで、逮捕から記事掲載までの間に、証明する物を確認できていない場合に付けるようです。
現行犯逮捕の場合が多いとのことでした。
自称とは、字のごとく、「自分で称している」 だけなんですね。
「おれ、なんて肩書きが付くんだろう?」
以前、フリーランスで仕事をするカメラマンやイラストレーターの仲間と、新聞記事の “自称” について雑談をしたことがありました。
「“自称” が付いちゃったりして」
「一応、何十年と本業としてやってるのに、自称が付いたら情けないよな」
とかなんとか話したのですが、結論は、こうでした。
「新聞記事になるような不祥事は起こさないこと」
ところで先日、フジテレビ系で放送された 「THE SECOND ~漫才トーナメント~」 は、ご覧になりましたか?
結成16年以上のベテラン漫才師たちによる漫才賞レースです。
優勝すれば、賞金1000万円と 「THE SECOND 2代目王者」 の称号を手にします。
どのコンビもベテランぞろいですからね、上手いし、面白い。
どのコンビが優勝しても問題ないレベルの高さでした。
個人的には、群馬出身の 「タイムマシーン3号」 を応援していたんですけどね。
残念ながら、1回戦で敗退してしまいました。
優勝したのは 「ガクテンソク」 というコンビでした。
(ごめんなさい、初めて彼らを見ました)
でも、文句なしに面白かったので、納得です。
で、番組中、出演者が言った言葉が、今でも耳にこびりついているんですね。
ある漫才コンビが、決勝トーナメントに出場する意気込みを語るシーンで、こんなことを言いました。
「優勝すれば、職業=漫才師で死ねる」
苦節ウン十年、今まで日の目を見ることなく、まだ何物でもない自分たち……
食えなくても、あきらめず、アルバイトをしながら漫才にしがみついている姿に、胸が熱くなりました。
出演者の中には、妻子がいる芸人もいました。
世の中には、トントン拍子でスターになる芸人もいます。
でも彼らは、まだ名前すら覚えられていません。
「優勝すれば」
世間から “漫才師” と認めてもらえるわけです。
新聞記事になった場合、“自称” の文字が取れるわけです。
残念ながら、そのコンビは途中敗退してしまいましたが、僕は名前と顔を覚えました。
ファンになりました。
応援しています。
がんばれ! タモンズ!
Posted by 小暮 淳 at 12:13│Comments(0)
│つれづれ