2023年03月15日
野球オンチのにわか観戦
まだテレビが一家に一台だった昔。
テレビ番組のチャンネル権は、世帯主のものでした。
まあ、だいたいの家庭では、テレビ正面の特等席には、お父さんが座っていました。
ご多分にもれず、我が家もオヤジが座っていました。
しかも、オヤジは大の野球好き。
それも巨人フォンで、長嶋茂雄命という、もう絵に描いたような典型的な “昭和のおやじ” だったのであります。
当然、毎晩、ゴールデンタイムのテレビ番組は、野球放送となります。
令和の今ならば、見たい番組は別の部屋のテレビで観るか、録画をして後で観ればいいだけのことですが、当時には考えられないことです。
一台のテレビを、家族全員で観るのが当たり前。
しかも、子どもにはチャンネル権はありません。
「ちょっとだけ、マンガ観せてよ」
と言いたいのですが、“昭和のおやじ” の権力は絶対的なものですから、僕もアニキも何も言えません。
こっそり、オフクロに言ったことがありました。
「かーちゃんから話してくれないかな? ちっとだけでいいんだ。チャンネル替えていいか訊いてくれよ」
すると、ピシャリと返されました。
「お父さんが買ったテレビです」
きっと、僕の野球嫌いは、そんな環境で育ったからだと思います。
「あんなスポーツのどこが面白いんだろう?」
と思ったのはアニキも同じだったようです。
中学生になり、アニキはテニス部に、僕は卓球部に入りました。
時はめぐり、令和5年3月。
第5回ワールド・ベースボール・クラシック (WBC) が開幕中です。
日本代表の 「侍ジャパン」 は、1次リーグB組を4連勝で1位通過と、快進撃を続けています。
テレビでも呑み屋でも、話題はWBC一色。
野球オンチの僕の耳にも、否応なしに情報が入ってきます。
ついつい引き込まれて、野球通の人たちの話を聞き入ってしまいます。
やっぱ、今年の 「侍ジャパン」 は役者がそろっているからなんでしょうね。
大谷翔平、ダルビッシュ有、佐々木朗希、村上宗隆という選手の名前ば、野球ファンでなくとも知っています。
知っている選手がいるということは、野球オンチでも観戦しやすくなります。
で、気が付いたら、まったく野球に興味のない僕も、テレビの前に釘付けになっていました。
(プロ野球も高校野球も観ない僕にとっては、初体験なのです)
もちろん、酒を呑みながらなのですが、気づいたことがありました。
「野球は、日本酒に合う!」
ということ。
走り続けるサッカーやラグビーと違い、先攻と後攻があり、攻撃と守備が入れ替わるという “節目” があるのがいい。
さらに、投手と打者のかけ引きの “間” が、日本酒を口に運ぶスピードと合っています。
(サッカーだと、目を離した瞬間に点が入っていることがありますから)
何より吞兵衛にありがたいのは、チェンジの際にコマーシャルが入ること。
安心してトイレへも行けます。
さて、いよいよ明日は準々決勝です。
オータニさん! 村神様! たっちゃん!
お酒を美味しくしてくださいな。
Posted by 小暮 淳 at 12:57│Comments(0)
│つれづれ