2024年01月17日
生まれ直しの儀
昨晩は、友人の 「還暦祝いパーティー」 に出席してきました。
まさか、年下の還暦を祝うとは思いませんでした。
それにしても彼は、若々しい。
髪の毛は真っ黒だし、肌つやもいい。
本人も自分が還暦を迎えたことに、驚いている様子でした。
だって昔、還暦といえば、赤いちゃんちゃんこを着て、赤い頭巾をかぶって、上座に座っているイメージがありましたものね。
そして、座っている人は、正真正銘の老人でした。
でも今の60歳は違います。
人生100年時代の還暦は、まだまだ老人とは程遠い。
ですが、とりあえず、人生の節目であることには違いありません。
ので、彼には、赤いちゃんちゃんこならぬ、赤い靴下が贈られました。
でも、なんで、昔は 「赤いちゃんちゃんこ」 を贈ったのか?
それは還暦が、“生まれ直しの儀” だからなんですね。
生まれ直し、とは?
干支(えと)が一巡することです。
干支とは、「十干十二支(じっかんじゅうにし)」 のこと。
十干は、甲(きのえ)、乙(きのと)、丙(ひのえ)などの10日まとまりで数える呼び名(符号)のことです。
これに子、丑、寅、卯……の十二支を組み合わせると、60通りになります。
だから、ちょうど60歳は干支が一巡して、また生まれた干支に戻ることになります。
文字通り、「暦(こよみ)が還(かえ)る」 わけです。
これを 「本卦還(ほんけがえ)り」 といい、一種の生まれ直しであると意義付けられています。
では、なぜ、赤いちゃんちゃんこなのでしょうか?
「ちゃんちゃんこ」 とは、赤ちゃんや子どもが着る袖なしの羽織のこと。
まさしく、“生まれ直し” を意味します。
そして、赤は魔除けの色です。
時代は変わりました。
それでも、人生の節目を祝う人の心は不変なのですね。
Aちゃん、おめでとう!
これからの人生も長いぞ!
よろしく!
Posted by 小暮 淳 at 11:57│Comments(0)
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