2023年09月02日
どこかで誰かが見ている
「1体だけ、ちゃんとしたモノを作ればいいんだよ。あとは俺が寝てても遊んでいても、こいつがもう1体作ってくれる。そして、そいつがもう1体。知らないうちに、こんなにも作品が増えているんだ」
この言葉を覚えていますか?
1週間前のブログに書いた、さる作家の言葉です。
(2023年8月25日 「1体の木彫り人形」 参照)
掲載後、ブログを読んだ数人から 「いい話ですね」 と声をかけられました。
しかも、その人たちは自営、もしくはフリーランスで仕事をしている人たちでした。
自営やフリーランスの人間は、勤め人のように保障がありません。
ゆえに日々、不安と闘っています。
「自分の生き方は間違っていないのだろうか?」
「このままで、いいのだろうか?」
「もしかしたら自分には、才能なんてないんじゃないか?」
僕も、そうでした。
この歳までフリーランスで生きてこられたのは、奇跡としかいいようがありません。
何度、挫折しかけたか分かりませんもの。
そんな時、いつも心の支えになっていたのが、冒頭に示した作家の言葉でした。
「ちゃんとしたモノを作っていれば、どこかで誰かが必ず見ていてくれる」
僕は、そう解釈して、迷うことなく生きてきました。
半月ほど前のこと。
僕が温泉大使を務める某観光協会の職員から、一本の電話がありました。
「大使に東京のテレビ局から出演依頼の話が来ているんですが……」
「なんで?」
「よく分かりませんが、とりあえず届いている企画書を転送します」
送られてきた企画書を見ると……
えっ、えーーー!!!
と自分の目を疑いました。
有名なタレントが司会をする有名な番組名が書かれていました。
なんで僕なのだろうか?
群馬の限られた世界だけでモノを書いている自分に、なぜ出演依頼の話が来たのか、さっぱり訳が分かりません。
その後、番組のADやディレクターからも連絡をいただき、「こんな私でよければ」 と、出演を承諾しました。
「群馬のためになるならば……」
ただ、その思いだけで、お受けしました。
どこかで誰かが必ず見ている。
「1体だけ、ちゃんとしたモノを作ればいいんだよ。あとは俺が寝てても遊んでいても、こいつがもう1体作ってくれる」
N先生の言葉が、またもや僕の背中を押してくれました。
ありがとうございます。
Posted by 小暮 淳 at 11:45│Comments(0)
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