2024年01月15日
テンで話になりません
その昔、まだ固定電話さえ普及していなかった昭和の時代。
緊急の知らせは、もっぱら電報でした。
若い人の中には、見たこともない人がいるかもしれませんね。
緊急を要するため、全文がカタカナで書かれています。
なので、読みづらい。
そこで最重要視されるのが、読点の位置です。
<オヤジシンダ>
この場合、父親の死を知らせるのであれば、読点 「、」 は、「オヤジ」 の後に打つことになります。
= <おやじ、死んだ>
ところが、「オヤ」 の後に打つと意味が変わってしまいます。
= <おや、地震だ>
僕ら文筆業に関わる者は、この読点の扱い方に細心の注意をはらいます。
さもないと、まったく異なる内容が伝わってしまうからです。
昨日の地元新聞に、目を疑う記事を見つけました。
この一文を読んで、みなさんは、どう解釈しますか?
<渋川市は能登半島の付け根にあり、大規模な断水が起きた富山県氷見市に飲料水を届けた>
ちょっと、ビックリしませんか?
渋川市が能登半島にあるのって?
群馬県民なら渋川市の位置を知っていますが、他県民が読んだら渋川市は能登半島にあると勘違いしてしまう文章です。
能登半島の付け根にあるのは氷見市ですよね!
ならば、読点の位置が違います。
正しくは、<渋川市は> の後です。
より分かりやすくするなら、<能登半島の付け根> と <富山県氷見市>」 の距離を近づけたほうがいいですね。
僕なら、こう順列を変えます。
<渋川市は、大規模な断水が起きた能登半島の付け根にある富山県氷見市に、飲料水を届けた>
いかがですか?
これで誤解は生じなくなったと思います。
今日は、まじめな話をしてしまいましたね。
ちょっと気になってしまったもので、あしからず。
Posted by 小暮 淳 at 11:35│Comments(2)
│つれづれ
この記事へのコメント
小生も上毛新聞を読んでいて、何て書いてあるんだよと、2度読みしたところです。
同じところに、気がつくものですね。
メールなどのときは、「、」をなるべく多く入れて、文章が読みやすくなるようにしています
同じところに、気がつくものですね。
メールなどのときは、「、」をなるべく多く入れて、文章が読みやすくなるようにしています
Posted by ヒロ坊 at 2024年01月15日 14:04
ヒロ坊さんへ
プロといえども記者も人間ですから、筆の誤りはあります。
が、新聞の場合、必ず校閲が入るわけですから、気づかなかったのが不思議です。
人の振り見て我が振り直せ、肝に銘じたいと思います。
プロといえども記者も人間ですから、筆の誤りはあります。
が、新聞の場合、必ず校閲が入るわけですから、気づかなかったのが不思議です。
人の振り見て我が振り直せ、肝に銘じたいと思います。
Posted by 小暮 淳 at 2024年01月15日 23:36