2012年11月28日
塩河原温泉 「渓山荘」②
天気雨のことを 「キツネの嫁入り」 なんて言いますが、これが雨ではなくて雪だとなんて言うでしょうか?
勝手に僕は、「タヌキの婿入り」 と名づけました。
昨日はNHK文化センター主催による野外温泉講座の後期講座第2回目でした。
講座地は、川場村の塩河原温泉です。
川場村は、昔から 「脚気(かっけ)川場」 と言われるくらい良質の湯が湧く湯治場です。
その中でも塩河原温泉は、日本百名山の一座、武尊山(ほたかさん)を水源に流れ出す清流、薄根川沿いに100年以上前から自噴し続けています。
世は “美人の湯” ブームです。
俗にアルカリ性の高い温泉を “美人の湯” と呼んでいるようですが、なんとここは源泉名自体が 「塩河原温泉 美人の湯」 なのであります。
さらにアルカリ性を表すpH値は、9.66とかなりの強アルカリ性泉です。
(pH8.5以上をアルカリ性泉といいます)
「ということですから、女性の皆さん、今日は大いに期待してくださいね」
とバスの中で、僕が解説を始めました。
すると、ワーとかオーとか歓声が上がりました。
この講座の受講生は、半数以上を女性が占めています。
「ええ、美しい人はより美しく、そうでない人もそれなりになれますよ」
古いCMのコピーで返すと、
「なーんだ!」
と落胆の声に変わりました。
関越自動車道、沼田ICを下りた時から、チラチラと雪が舞い出していました。
川場村に着く頃には、完全に雪模様・・・
でも明るいんです。
「ヘンな天気ですね」
「陽が射しているのにね」
とバスを降りた受講生たちは、空を見上げては口々に不思議がっていました。
風花(かざはな) が舞っているのにしては、量も多く、何時間も止みません。
こんな天気ってあるんでしょうか?
「雨なら “キツネの嫁入り” ですが、雪だから “タヌキの婿入り” でしょう」 なーんて冗句を飛ばしながら湯屋へ向かいました。
前回、ここを訪れたのは雑誌の取材でしたから、2年半ぶりことです。
その時の記事で、僕は温泉のことを次のように書いています。
<ヒノキの内風呂と自然石に囲まれた露天風呂は、シンプルだが飽きのこない造りだ。そして、この日の湯も実に重かった。手ですくうときの、ズッシリとした手応え。ゆっくりと肌を落ちる粘着感も健在である。>
そして昨日の湯も、独特のヌル・ツル・スベ感は健在でした。
「うわぁ~、本当ですね。ヌルヌルしますよ」
「こんな湯は、初めてですね」
と、露天風呂のなかで受講生男子(オヤジ) たちが、感嘆の声を上げています。
見上げれば、相変わらず陽の光に照らされながら、雪が舞っていました。
で、僕はふと、思いました。
これは “タヌキの婿入り” などではないぞ!
この光景は、“タヌキ(オヤジ) の湯入り” だな・・・と。
おかげさまで、タヌキたちの肌はツルスベになり、みんなイケメンオヤジになりましたとさ。
Posted by 小暮 淳 at 16:27│Comments(2)
│温泉地・旅館
この記事へのコメント
はじめて入浴した時はビックリしたのを覚えています。あの湯のヌルヌル
私が行った時もたしか…『タヌキの婿入り』でした(笑)
私が行った時もたしか…『タヌキの婿入り』でした(笑)
Posted by ぴー at 2012年11月29日 10:27
ぴーさんへ
どーも、「タヌキの婿入り」 の正体は、武尊山からの風花のようです。
北風が、降り続ける武尊山の雪を絶え間なく川場村に運んでくるみたいですね。
それにしても、太陽と雪と紅葉のコントラストは、美しいのひと言でした。
どーも、「タヌキの婿入り」 の正体は、武尊山からの風花のようです。
北風が、降り続ける武尊山の雪を絶え間なく川場村に運んでくるみたいですね。
それにしても、太陽と雪と紅葉のコントラストは、美しいのひと言でした。
Posted by 小暮 at 2012年11月30日 01:35