2024年03月16日
尻焼温泉 「白根の見える丘」④ ~あの日の唄が聴こえる~
温泉ファンに訃報です。
尻焼温泉(中之条町) 「白根の見える丘」 のご主人が、今年1月に亡くなられました。
それに伴い、旅館も閉館しました。
あまりのショックに、しばし呆然としてしまいました。
ご主人との出会いは、20年以上前になります。
旧六合(くに)村からパンフレット制作の依頼を受け、泊まり込みで取材をしました。
その時、お世話になったのがご主人でした。
当時は、まだ 「白根ハイム」 という名の宿でした。
いつお会いしても、トレードマークの作務衣とバンダナ姿が似合う、カッコイイ兄貴のような人。
酒が好きで、ギターが好きで、すぐに僕らは意気投合して、仕事もそっちのけで陽の高いうちから呑んだくれていました。
2010年に 『群馬の小さな温泉』(上毛新聞社) を出版した時も、その後の朝日新聞に 『湯守の女房』 を連載した時も、「泊まらなくっちゃ、取材は受けないよ」 と言って、呑み明かすほどの酒好きでした。
(当ブログの 「カテゴリー」 より 『湯守の女房』(15) を検索。閲覧できます)
ああ、世の中は、なんて無常なんでしょう……。
また1つ、個性豊かな温泉宿が消えてしまいました。
「草津白根山(2,171m)は草津温泉からは見えない。僕が知る限りは、唯一うちが白根山を望める宿だから、ストレートな名前に変えたんですよ」
と語った、ご主人自慢の露天風呂は、一切の人工物は見えない丘の上。
見えるのは、どこまでもつづく山並みと、その上にポッカリと浮かぶ白根山の白い山肌だけ。
ああ、もう一度、あの湯舟から白根山を望みたかった……。
湯上りには、女将さんの絶品手作り豆腐が待っていました。
これを岩塩とオリーブオイルでいただきなから、ウィスキーを水割りでやるのがスタイル。
水割りの水は、ご主人が往復4時間もかけて汲んできた名水です。
ああ、なんという至福の時間だったのだろう……。
酔いが回ってくると、主人はギターを取り出します。
歌うのは、決まって吉田拓郎でした。
2人で夜が更けるまで、ギターをかき鳴らし、歌い続けた遠い日の思い出が、走馬灯のようにめぐります。
ありがとうございました。
大変お世話になりました。
ご冥福をお祈り申し上げます。
Posted by 小暮 淳 at 11:30│Comments(2)
│温泉地・旅館
この記事へのコメント
なんと…
休館とは伺っていましたが…
言葉になりません…
お酒の量がたたっのかな…
休館とは伺っていましたが…
言葉になりません…
お酒の量がたたっのかな…
Posted by こいk at 2024年03月23日 22:29
こいkさんへ
死因は分かりません。
いろいろあったようです。
残念でなりません。
死因は分かりません。
いろいろあったようです。
残念でなりません。
Posted by 小暮 淳
at 2024年03月24日 07:15
