2014年11月11日
片品温泉 「水芭蕉の宿 ひがし」
今年の6月から、僕は長い長い取材の旅に出ています。
たぶん、この旅が終わるのは、来年の夏・・・
ま、いつものことですけどね。
書き下ろしの本を出版するには、それなりの時間と手間を要するということです。
毎回、僕の本を楽しみにしてくれている読者がいる限り、「疲れた」 とか 「休みたい」 とかの弱音は、おあずけ!
ただ、黙々と取材を続けるのみであります。
と、いうことで、今週も昨日から取材活動を続けています。
昨晩は、片品温泉(片品村) の 「水芭蕉(みずばしょう) の宿 ひがし」 に泊めていただき、ご主人の萩原有朋さんと、酒を酌み交わしてきました。
“水芭蕉の宿” と聞いて、「ははー、やっぱり尾瀬が近いからね」 なーんて思ったでしょう?
何を隠そう、僕も、ただ単に受け狙いで付けたネーミングだと思っていたのです。
と、ところが!
取材は、してみるものです。
ご主人は元農家で、なんと!水芭蕉を栽培していた方なのです。
「えっ、水芭蕉って、栽培できるんですか?」
「はい、出荷していました」
とは、驚きました。
ここで詳しいことは書けませんが、かなり需要はあるらしいですよ。
「もっと、じっくりお話を聞きたいのですが?」
と言えば、
「たった2人でやっている宿なので、これから料理の用意で手が放せません。夕食のあとでも、いいですか?」
とのこと。
ならば、話は早い!
脱兎のごとく、部屋で着替えを済ませて、浴室へ。
泉質は、単純温泉。
サラリとした、尾瀬の湧き水のように澄んだ湯であります。
湯口には、炭が置かれています。
これが “ひがし名物” の 「炭風呂」 であります。
と思えば、廊下にも客室にも、いたるところに炭、炭、炭だらけ~!
トイレの中なんて、小便用便器の1つ1つすべてに、墨が置かれています。
う~ん、炭パワーの威力で、空気を浄化しているようです。
それにしても、これほどまでに炭が置かれた旅館は初めてです。
食後、主人に通された部屋は、囲炉裏がある部屋でした。
そして赤々と、炭火が燃えています。
聞けば、すべての炭は、炭焼き小屋で先代(父親) が焼いているとのこと。
これで “炭だらけ” の理由が判明しました。
「お茶で話しというのもなんですから、さあ、どうぞ!」
と、主人の手元をみれば、「えっ、いいんですか!」 と僕が小躍りしそうな大好物が!
そうです、主人の手には、日本酒のビンが握られているではありませんかーーーーっ!
囲炉裏をはさんで、注しつ注されつ、温泉談義が始まったのでありました。
炭火のぬくもりと、ご主人のもてなしに、身も心もポカポカに温まった取材でした。
ご主人、ごちそうさまでした。
とっても美味しい地酒でした。
このお礼は、本にしてお返しいたします。
Posted by 小暮 淳 at 20:42│Comments(0)
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