2015年10月14日
野栗沢温泉 「すりばち荘」③
“取材は筋書きのないドラマである” by Jun Kogure
なーんてね。
実は突然、取材日の前日になって野栗沢温泉の一軒宿 「すりばち荘」 の2代目若主人から 「ボイラーが壊れてしまって、お風呂が入れません」 との連絡が入りました。
本来なら取材は延期されるべき事態ですが、すでに近隣の温泉施設への取材アポは取ってあります。
それに 「すりばち荘」 へは、過去に何回も行っているので、湯のことなら良く分かっています。
今さら入らなくても記事は書けます。
それより僕は、おやじさんに会いたい!
“おやじさん” とは、ご主人の黒沢武久さんのことです。
とにかく、おやじさんには大変世話になっているのです。
以前、朝日新聞に連載していた 『おやじの湯』 というエッセーでは、一緒に湯に入り、裸の付き合いをしながら対談したこともありました。
また、昨年の春に開催された拙著 『新ぐんまの源泉一軒宿』(上毛新聞社) の出版記念パーティーには、わざわざ息子の忠興さんが会場となった前橋市内のホテルまで来て、出席してくださったのです。
そのお礼だって、まだ言ってません。
だもの、風呂に入れなくったって、親子には会いに行くっていうこです!
ということで、昨日は群馬県最南の上野村に入り、他の温泉を取材しつつ、夕方には最南端の温泉宿にたどり着いたのであります。
宿に着くと、赤々と薪ストーブが燃えていました。
「今日、今年初めて火を入れたよ」と、ご主人。
「お忙しいですか?」 と訊けば、
「ああ、毎日、薪割りでね」 と笑いました。
「小暮さんの読者という人が、よく来られますよ。なんでも講演を聞いて、うちを知ったらしいです」 と忠興さん。
うれしいですね。
確かに僕は、たびたび講演やセミナーで、野栗沢温泉の話をしています。
群馬県の最南端温泉であること。
そして源泉は昭和になってから発見された自然湧出泉であること。
その源泉を最初に見つけたのは、人間ではなく鳥だったこと。
さらに、その鳥は東南アジアに生息する珍しい青いハトだということ。
何よりも、“魔法の泉” と呼ばれる源泉水の効能の素晴らしいこと。
などなどを話しています。
昨晩もご主人の口からは、ポンポンと源泉水の摩訶不思議な効力話が飛び出しました。
数々の皮膚病やケガを治してきたことは、今までにも新聞や雑誌、著書などに書いてきました。
が、今回は、人間以外にも効力を発揮しているという驚きのスクープ話を聞いたのです。
このことは、来春出版予定の本に書く予定なので、今はまだ秘密です。
ぜひ、楽しみに待っていてください。
やっぱり、取材って、筋書きのないドラマですね。
思わぬ展開に、ワクワクしてしまいました。
もちろん夜は、名物の 「イノブタ鍋」 と 「温泉うどん」 をいただきながら、酒とおやじさんとの温泉談義に酔いしれました。
おやじさん、忠興さん、いつも、ご協力ありがとうございます。
このご恩は、活字にしてお返しいたしますね。
Posted by 小暮 淳 at 21:45│Comments(2)
│温泉地・旅館
この記事へのコメント
小暮先生、マロさん、こんばんワン!小暮先生、お誕生日おめでとうございました(^^♪ (遅くなっちゃったけど)。
先日、夫とすりばち荘に2泊で行ってまいりました!とっても親切ですてきなご主人と息子さん、いっぱいお話できて本当に楽しかったです☆ お湯も本当によかったし、そして、アオバトさんたちにしっかり会うことができました。早朝の山歩きは、けっこうコタエましたが、アオバトたちの群れに会えて、すべてが吹き飛んでいった感じです。すりばち荘の存在は、小暮先生の本で知ったのです。ありがとうございました!!これからも、ブログも本も、楽しみにしていますね!
先日、夫とすりばち荘に2泊で行ってまいりました!とっても親切ですてきなご主人と息子さん、いっぱいお話できて本当に楽しかったです☆ お湯も本当によかったし、そして、アオバトさんたちにしっかり会うことができました。早朝の山歩きは、けっこうコタエましたが、アオバトたちの群れに会えて、すべてが吹き飛んでいった感じです。すりばち荘の存在は、小暮先生の本で知ったのです。ありがとうございました!!これからも、ブログも本も、楽しみにしていますね!
Posted by ムク at 2016年08月12日 00:59
ムクさんへ
アオバトの群れを見れたなんて、最高の夏休みですね。
僕も最初に 「すりばち荘」 に泊まった翌早朝に、ご主人に連れられて山歩きをしました。
あの感動は忘れられませんね。
でも、その感動を本に書いたら、ムクさんのような読者が同じ感動を味わいに 「すりばち荘」 へ行かれたなんて……。
こういうのを “著者冥利” と言うんでしょうね。
こちらこそ、ありがとうございます。
これからも、よろしくお願いいたします。
アオバトの群れを見れたなんて、最高の夏休みですね。
僕も最初に 「すりばち荘」 に泊まった翌早朝に、ご主人に連れられて山歩きをしました。
あの感動は忘れられませんね。
でも、その感動を本に書いたら、ムクさんのような読者が同じ感動を味わいに 「すりばち荘」 へ行かれたなんて……。
こういうのを “著者冥利” と言うんでしょうね。
こちらこそ、ありがとうございます。
これからも、よろしくお願いいたします。
Posted by 小暮 淳
at 2016年08月12日 22:23
