2020年05月18日
最後のカナリア
39の県で、緊急事態宣言が解除されました。
これにより少しずつですが、「一日も早く、前のような暮らしを取り戻そう」 と、人々は動き出し始めました。
まだまだ予断は許せない状況ではあります。
でも、なんとなく人々に笑顔が戻って来たようにも思われます。
そして、何よりも “生活” が戻りつつあります。
買い物ができる喜び……
会社や学校へ行ける幸せ……
でも、以前の生活を取り戻した人は、まだ、ほんの一部です。
緊急事態宣言が解除されたからといって、誰にでも日常が戻って来るわけではありません。
そして、それには順序というものがあります。
すでに製造業や物販業は、営業が始まっています。
飲食業やサービス業も、条件付きで営業を再開したところがあります。
でも、まだ、ここまでです。
あくまでも、最低限の生活を維持するための営業です。
観光業や旅行業、コンサートやイベント関連などの不要不急とされる職業には、一向に “解除” の気配がありません。
「俺たちの仕事は3密だから、最後の最後だよ。ワクチンができるまでは、たぶん仕事はないね」(ミュージシャン)
このような職業の人たちのことを、“カナリア” と形容した人がいます。
お笑い芸人のビートたけしさんです。
カナリアとは、オウム真理教の施設に、ガスマスクを付けた機動隊員が突入した際に、手にしていた鳥のこと。
薬物やガスに敏感なカナリアが、毒ガス 「サリン」 の検知器として使用されたことは有名です。
ゆえに、ミュージシャンや芸人など、ライブを生業にしている職業の人たちの仕事が始まったときが、真の “終息” であると……。
で、僕の職業も、不要不急および3密を有する “カナリア” であることを知りました。
講演、講座、セミナーの類いは、現在のところ8月まで中止です。
4月から予定されていた雑誌の新連載も、延期となりました。
でも、カナリアはカナリアらしく、歌を忘れずに、その日を待ちたいと思います。
Posted by 小暮 淳 at 11:01│Comments(0)
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