2013年10月17日
生きてるのには意味がある
今週、オフクロが退院をして、実家に帰ってきました。
3ヶ月ぶりに、前の生活にもどりました。
あれは7月16日のこと。
アニキが東京へ帰ったため、僕が朝から実家を訪れ、オヤジをデイサービスへ送り出した後でした。
オフクロが、「買い物に連れて行ってほしい」 というので、車のエンジンをかけて待っていたときです。
戸締りをして出てきたオフクロが、「フラフラする。気持ちが悪い」 と言って、急に倒れ込んでしまいました。
「少し横になれば、大丈夫だよ」
と言ったまま、動けなくなってしまいました。
見る見るうちに、左半身の感覚がなくなり、マヒしていくのが分かりました。
すぐに医者に連れて行き、検査を受けると、案の定 「脳出血」 を起こしていました。
昨年は心臓病で倒れて、入院。
退院後は、心臓に負担がかからないようにする薬を飲んでいました。
そしたら、今度は、脳に負担がかかってしまったようです。
無理もありません。
オフクロは昭和2年生まれの、満86歳だもの。
この歳まで生きていることすら、家族にしてみれば “奇跡” なんです。
それ以前に、ガンの手術を2回も経験しているのですから・・・。
入院と退院を繰り返す人生。
そのたびに、家族は 「これが最後かも」 と覚悟を決めてきました。
そして、またもやオフクロは、死の淵から生還してきました。
「また帰って来れたね。こうやって生きているということは、神様が 『まだ死ぬな』 って言ってるんだろうね。きっと、生きている意味があるっていうことだね」
リハビリの成果なんでしょうね。
杖を使わずに、自分の足で歩いての帰宅であります。
「この人の生命力は凄い!」
って、つくづく感心してしまいました。
「生きている意味はさ、お父さんを見送ることなんだろうね。その役目が終わるまでは、死ねないってことだよ」
そう言ってオフクロは、60年以上連れ添ってきたオヤジの手を握り締めました。
「お父さん、また帰ってきましたよ。よろしく、頼みますね」
その時だけは、オヤジも
「おうおう、ばあちゃん、帰ってきたか。うれしいね~」
と笑顔で喜ぶのですが・・・
オフクロの姿が見えなくなると、
「ばあちゃんは、いったい、いつ退院して来るんだろうなぁ~」
と、思いっきりボケをかましてくれるのです。
いやはや、なんとも、滑稽 (こっけい) であります。
でも、なんだか、ほほえましくもあるのです。
Posted by 小暮 淳 at 20:54│Comments(0)
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