2024年12月17日
人生は 「0」 になる
良いことがあると、I 先生を思い出します。
逆に悪いことがあった時も、I 先生を思い出します。
I 先生は、高校2年の担任でした。
I 先生は翌年、転任して行きました。
なのに卒業式には、わざわざ来てくださいました。
元教え子を見送りに来てくれたのです。
「ジュン、おめでとう!」
会場の出口で、先生に声をかけられました。
そして、驚いている僕に、こんなことを言いました。
「ジュンにとって、この3年間は苦痛だったかもしれないが、これからの人生に、自分を活かせる場所が必ずあるから、がんばれ!」
僕は、クラス1の落ちこぼれだったのです。
何をしたいのか、何になりたいのか分からず、なのに勉強もせず、だからといってグレることもなく、ただただ親や教師に反発をし続けただけの3年間でした。
卒業から15年経った、ある日のこと。
僕は雑誌記者として、某ゴルフ場へ取材に出かけました。
アマチュア大会の優勝者インタビューです。
なんと、その優勝者が I 先生だったのです。
「ビックリしたな~! ジュンか!?」
「はい、お久しぶりです。相変わらず先生は、お元気ですね」
思えば、I 先生は体育の教師でした。
インタビューの後、僕と先生は少し雑談をしました。
先生は僕が雑誌の記者をしていることに、大変驚き、そして、とっても喜んでくれました。
「な、あの時、言ったろ!? お前を活かせる人生が必ずあるって!」
でも、その時は、まだ記者を続けるかは考えていなかったので、先生の言葉は聞き流していました。
まさか、その後、独立してフリーのライターになるとは……
先生の予言通り、今の仕事が天職となったのです。
雑談の中で、先生は、こんなことをおっしゃいました。
「人生はな、良いことと悪いことは、半々なんだ。良いことがあれば悪いこともあり、悪いことがあれば良いこともある。どちらかだけが一生続くことなんてないんだ。人生は、+- (プラスマイナス) =0 (ゼロ) になるようにできている。そう、神様が決めたんだ」
その時は、まだ先生が僕に何を言いたかったのかは分かりませんでした。
あれから、さらに30年が経ちました。
風の便りで、まだ先生は、お元気だと聞きました。
“人生は 「0」 になる”
この言葉が、何度も僕を勇気づけ、人生の背中を押してくれました。
I 先生、ありがとうございます。
いつまでも、お元気でいてください。
Posted by 小暮 淳 at 11:15│Comments(0)
│つれづれ