2016年11月13日
95歳のドライバー
高齢者ドライバーによる交通事故が多発しています。
しかも通行人をはねて、死亡させてしまうケースが後を絶ちません。
高齢化社会の末路です。
なぜ、もっと早く、国や自治体は対策を取れなかったのでしょうか?
我が家のボケ老人こと、92歳のオヤジは12年前からクルマの運転はしていません。
いや、していないのではなく、させないのです。
80歳の誕生日を境に、僕とアニキとで、強制的に免許証を取り上げ、自家用車も廃棄処分しました。
もちろん、本人は 「まだ大丈夫だ!」 と駄々をこねました。
まだ、こんなにも認知症が進む前でしたからね。
でも、前兆はあったんです。
一時停止をおこたり、バイクと接触事故を起こしました。
ま、相手のケガは大したことなかったのですが……。
このときが、79歳。
その後、僕とアニキが助手席に同乗して、運転をチェックしたところ、すべての判断能力と操作行動が甘いことを確認したため、“免許剥奪の刑” に処したのであります。
本人は、クルマを取り上げられたことにより、行動範囲が極端に狭くなってしまったため、しばらくは不服の様子でしたが、今となれば、僕とアニキの決断は正しかったと思います。
だって、80歳過ぎまで生きて、残りの人生を刑務所の中で過ごさせるなんて、子どもとしてできませんって。
何よりも、全く関係ない、赤の他人様を傷つけなくて済みました。
ところが実家の近所には、いまだに軽トラを乗り回している95歳のおじいさんがいるのです。
ま、一見、90歳過ぎには見えませんけどね。
それでも、後期高齢者の超後期者であります。
このおじいさん、現在でも現役で町工場を営んでいます。
だから仕事でクルマは手離せないようなのですが、近所の人たちはハラハラしながら見守っているのが実情です。
また、高齢者の娘さんと2人暮しなので、買い物をするのにもクルマは手離せないようです。
そう、僕の両親が暮らす町は、過疎化が進む “買い物難民街” なのであります。
なので一概に、他人がおせっかいをやいて、「そろそろクルマの運転はやめたほうがいいですよ」 とは言えないのです。
こんな場合、どうしたらいいのでしょうか?
高齢者事故のニュースを耳にするたびに、僕は、そのおじいさんのことを思い出してしまいます。
Posted by 小暮 淳 at 13:20│Comments(0)
│つれづれ