2018年04月02日
シロバナタンポポとモンキチョウ
何日か前、新聞に <環境の変化でしょうか。今年はシロバナタンポポを見かけません。> という読者の投稿文が載っていました。
えっ、本当かな?
ここに越してきた25年前に比べれば、我が家のまわりにはスーパーやコンビニ、住宅も増え、だいぶ風景が変わりましたが、それでもまだ田んぼや畑や野原が広がっています。
クルマ嫌いの僕は、ヒマさえあれば自転車に乗って、ご近所を回っているので、どこにどんな花が咲くのか熟知しています。
我が家の西、川を渡った先に、田んぼが広がっています。
その一角、道の端の土手一面が真っ白になるシロバナタンポポの群生地があります。
そういえば、今年はまだ、あのあぜ道を通ってなかったな……
さっさく自転車に飛び乗って、ひとっ走り行ってきました。
あった! 今年も咲いているじゃないか!!
でも待てよ、なんかいつもと雰囲気が違うぞ!
そう、一面の白ではないのです。
ところどころ、黄色が混ざっています。
セイヨウタンポポです。
ヨーロッパ原産の多年草。
明治時代に北海道で野菜として栽培されていたものが逃げ出したといわれています。
どこにでも、ふつうに見られる外来種のタンポポです。
一方、シロバナタンポポは、西日本で多く見られるタンポポです。
名前のとおり、花が白いのが特徴。
他のタンポポに比べると、ちょっと弱々しい感じがするところが、僕は好きです。
最近は、関東地方でも見られるようになりました。
道端に自転車を止めて、しばらく眺めていると、若いお母さんに連れられた小さな女の子がやって来ました。
手には、大きな網を持っています。
「なにをとっているの?」
「チョウチョ!」
「へー、チョウチョがいるの。つかまえたの?」
「うん!」
「おじさんにも、みせてくれる?」
※(ま、その子の歳を考えると僕は、“おじさん” ではなく、完全に “おじいさん” なのですが、そのへんは臨機応変ということで…)
カゴの中をのぞき込むと、黄色い羽のチョウチョがいました。
「モンキチョウだね」
「……」
「これはモンキチョウっていうだよ。黄色いでしょ」
「……」
「白いのは、モンシロチョウっていうんだよ」
「……」
かたわらで、ツバの広い日よけの帽子をかぶったお母さんが微笑んでいました。
「バイバーイ!」
ふたたび僕が自転車を漕ぎ出すと、
「バイバーイ、またねー!」
女の子の声が、追いかけてきました。
田んぼのあぜには、青いオオイヌノフグリや紅紫色のホトケノザが、じゅうたんを敷きつめたように咲き誇っています。
川の土手では、黄色い菜の花が風に揺れています。
水面を桜の花びらが流れて行きます。
春爛漫です。
Posted by 小暮 淳 at 12:58│Comments(0)
│つれづれ