2021年02月20日
コロナに惑う子どもたち
東京駅八重洲中央口、タクシー乗り場。
先日、僕は講演会場へ急ぐため、改札口を抜けると、タクシー待ちの列を探して、走りました。
「えーっと、えーっと、最後尾は……、えっ!」
タクシー乗り場に、ズラリとタクシーは並んでいるものの、乗車待ちをする客の姿は、まったくありません。
「ここって、東京駅だよね? 前橋駅じゃないよね?」
そんな不安を抱えながら、先頭車両へ。
スーッとドアが開きました。
「乗っても、いいんですか?」
「はい、どうぞ」
「あ……、ビックリしました。お客が並んでないんで」
そういうと、運転手は、
「これが現状ですよ」
と苦笑いをしました。
まざまざと、コロナ禍の影響を目の当たりにしました。
コロナ禍では、目に見える影響と見えない影響があります。
飲食店などには、“時短営業” が余儀なく求められましたが、その代わり補償金が出されています。
そもそも売り上げの少ない店では、思い切って店を閉めたほうが 「実入りが良い」 などという話も聞きます。
飲食店に限らず、このコロナ禍では、ほとんどの業種で収入が落ちていることは確かです。
私たちは今、大変な世の中にいるんだと、つくづく思います。
でも、それらは、すべて大人の世界の話。
大人は、経験もあり、知恵もあり、他人に相談することもできます。
では、子どもたちは?
先日、ショッキングな統計が発表されました。
<2020年の全国の小中学生と高校生の自殺者数は、前年比140人 (41.3%) 増の479人 (暫定値) となり、過去最多を更新した。>
(2021年2月16日付 毎日新聞)
小学生14人 (前年比8人増)
中学生136人 (同40人増)
高校生329人 (同92人増)
高校生では、特に女子が前年の約2倍の138人と急増しています。
これについて文部省 (児童生徒課) は、
「新型コロナウイルスの感染拡大による社会不安が影響した可能性がある」
とコメントしています。
でも、なぜ、子どもたちが?
その問いに、さる大学教授 (生徒指導論) が、こう話しています。
<子どもの自殺が急増したのは複合的な要因が考えられる。コロナ禍で社会不安が広がり、「新しい生活様式」 によって孤立化も進んだ。長期間の休校とそれに伴う学習の遅れの挽回で、家庭に問題を抱えている子と学校が苦手な子の両方に負荷がかかった。コロナ禍が終息するまでは、これまで以上に自殺リスクが高い状態が続く可能性が高い。>
大人たちには、なんらかの救済があるのに対して、未成熟な子どもたちに差し伸べる手はないということなのだろうか?
本来ならば、大人が子どもの異変に気づき、フォローしていたことが、このコロナ禍で大人たちも手いっぱいで、意識が届かなくなってしまったということなのか?
自粛により家族時間が増えたこと、それ自体が 「地獄だ」 と言った子どもがいました。
コロナの弊害は、まだまだ続きそうです。
Posted by 小暮 淳 at 12:13│Comments(0)
│つれづれ