2022年07月24日
置き去りにした悲しみ
昔、まだ次女が乳飲み子だった頃のこと。
上2人を育てたという過信もあり、家族全員でショッピングセンターへ買い物に行ったことがありました。
やっと首の座ったばかりの次女を、家内が抱っこしていました。
すると一人の年配女性が、うちの家族に近づいて来ました。
「あららら……」
赤ちゃんを抱っこしていると、声をかけてくる婦人は珍しくありません。
「何か月?」 「可愛いわね」 と。
ところが、この年配女性は違いました。
いきなり僕ら夫婦を叱咤したのです。
「ダメじゃない! こんな小さい子を人ごみの中に連れて来ては! すぐに家に帰りなさい!」
その時は驚きましたが、後になって僕ら夫婦は、軽率な行動を反省しました。
長女のときは、腫れ物に触れるように慎重に行動していました。
それが2人目の長男から少しずつ子育ての手を抜くようになり、ついには次女のときには、ほぼ上2人と同じ扱いになっていたのです。
慣れとは怖いものです。
大いに反省した次第です。
毎年、夏になると、この過去の苦い思い出がよみがえります。
依然なくならない、乗用車に小さな子ども置き去りにした熱中症での死亡事故です。
胸が痛むだけでなく、どうして周りの人が、ひと言、注意をしてあげられなかったのかと残念に思います。
そう、その昔、僕ら夫婦を叱ってくれた、おせっかいなオバサンがいてくれたらと……
先日、新聞に、こんなデータが公表されていました。
調査したのは、子どもの置き去り感知システムなどを扱う専門商社。
子どもを乗せたことがある20~69歳の運転者を対象にインターネットで2,652人に尋ねたといいます。
結果、「ここ1年で車内に子どもを残したまま車を離れたことがある」 と回答した人が、22.0%と最多だったといいます。
「なぜ、置き去りは起きると思うか?」 との質問には、73.3%が 「保護者の意識が低いから」 と回答。
次いで32.2%の人が、「用事を済ませる間に子どもを見てくれる人がいないから」 と答えています。
そう答えた人の多くは、20代の共働き世帯でした。
だからこそ、僕は言いたい。
子育てが大変なのは百も知っています。
その上で、少しだけ我慢をしてほしいと。
面倒臭いかもしれないけど、安易な行動をとらずに、確実に子どもの命を守れる行動をとってほしいのです。
過ぎてしまえば、子育て期間なんて、あっという間です。
また、“子どもは3歳までに一生分の親孝行をする” ともいいます。
その貴重な子どもとの時間から絶対に目を離さないでください。
この夏、車内置き去りによる死亡事故がゼロであることを切に祈ります。
ジイジから若いお父さんお母さんへのお願いです。
Posted by 小暮 淳 at 11:52│Comments(0)
│つれづれ