2020年08月09日
温泉考座 (17) 「プチ湯治のすすめ」
その昔、「温泉へ行く」 と言えば、、それは湯治に行くことでした。
1週間以上も温泉地に逗留 (とうりゅう) して、ゆっくりと時間をかけて心と体のリフレッシュをしていました。
私は湯治文化の復活を願っている者の一人ですが、何かと忙しい現代人には、物理的に難しいようです。
ほとんどの人が、1泊2日という温泉旅行をしているのが現状です。
しかし1泊2日では、初日も2日目も移動日となるため、どうしても日頃の疲れを取り除くことができません。
そのため、「温泉旅行へ行って来ると、かえって疲れてしまう」 という人が少なくありません。
これでは本末転倒です。
何のために温泉へ行ったのか分かりません。
せめて、もう1泊あれば、真ん中の日が移動のない保養日となり、従来の湯治に似た体験ができるはずです。
そこで私は、温泉旅館の経営者たちに、現代人でもできる 「プチ湯治プラン」 を提案しています。
これはサラリーマンやOLを対象に、週末の3日間を温泉旅館で過ごしてもらうプランです。
まず金曜日の退社後に温泉旅館へ向かいます。
残業などの事情も考慮して、初日は夕食を付けません。
遅いチェックインでも可能にします。
翌日の土曜日が “湯治日” となります。
朝食と昼食と夕食が付き、温泉に入りながら、のんびりと一日を過ごしてもらいます。
当然、湯治体験をするわけですから、食事は豪華である必要はありません。
かえって健康を考えた質素な料理のほうが、喜ばれるでしょう。
そして3日目の日曜日も朝、昼、夜と3回の食事を付けます。
この3日目に夕食を付けるところが、ミソです。
ゆっくり温泉に入り、夕食をとってから帰路に着く。
家に帰ったら、寝るだけでいいのです。
もちろん2日目と最終日の昼食はオプションにして、温泉街を散策したり、周辺の観光をしながら外食をしてもらうことも可能です。
これならば忙しい現代人でも、手軽に湯治気分が味わえるのではないでしょうか。
<2013年7月31日>
Posted by 小暮 淳 at 11:33│Comments(0)
│温泉考座