2023年06月14日
会いに来た読者
昨日、「会いに行けるライター」 というタイトルでブログを書いたところ、呑み会の席で、このキーワードが飛び交っていました。
呑み会の名は、「弟子の会」。
僕のことを勝手に、“先生” とか “師匠” と呼ぶ温泉好きの集まりで、2016年11月に発足しました。
2カ月に1回、年6回、顔を合わせて酒を酌み交わしています。
「まさに先生は、“会いに行けるライター” ですよね」
から始まり、
「でも、会いに行くまでには、勇気と覚悟がいりました」
と続き、
「会ってしまえば、ただの吞兵衛のおっさんなんですけどね」
と、笑い話に収まります。
それでも各々には、僕と出会うまでの葛藤の日々があったようです。
Tさん(男性) とKさん(女性) は、僕が講師を務めるカルチャースクールの温泉講座の生徒でした。
Tさんは、受講以前から僕の講演などに参加していたといいます。
偶然にも火曜日が仕事の定休日だったこともあり、平日に開講される講座に参加することができました。
Kさんは、僕の著書に出会ってから、
「どうしたら小暮淳に会って、話ができるのか?」
と考えていたようです。
講演にも来てくれていたようですが、“会う” ことはできても、“話す” ことはできなかったといいます
一念発起し、彼女は講座が開講される毎月火曜日に有休をとって、仕事を休み、受講することにしました。
Sさん(男性) は、さらに古い読者です。
13年前の、このブログの開設当時からの読者で、たびたびコメントを寄せてくれていました。
しかし僕は、Sさんのペンネームは知っていても、本名は知らず、当然、姿を見たことがありませんでした。
例えば、こんなことがありました。
僕が講演会場へ行くと、受付に菓子折りが届いていました。
「これは?」
主催者にたずねると、
「ええ、男性の方が来て、先生に渡してくださいと」
まったくもって、謎の人物でした。
そんなSさんとKさんが7年前に、ある会合で偶然に出会い、これまた偶然にも温泉話になり、やがて僕の話になり、「だったら小暮淳に直談判しよう!」 ということになり、弟子の会が誕生しました。
Nさん(女性) の場合は、かなり特殊な出会いでした。
以前からブログにはコメントを寄せてくれていましたが、男か女か、どこに住んでいる人なのかは不明でした。
ところがある日、出版社に1通の手紙が届いたのです。
その内容に、僕は心を打たれました。
プライベートな内容なので、ここでは割愛しますが、「とにかく直接会って、話がしたい」 とのこと。
在住する東京からわざわざ前橋まで、会いに来てくれました。
以来、弟子の会のメンバーとして参加するようになりました。
「わたしたちはさ~、小暮淳に会うためにね~、努力をしてきたわけ~」
酔いも加わり、Kさんの詰め寄りに、僕はたじたじであります。
「分かります~!?」
「は、はい。分かりますよ」
「なら、よろしい!」
まったくもって、どっちが師匠で、どっちが弟子だかわかりませんが、心が真っすぐな連中であることは確かです。
この師匠あって、この弟子あり。
いや、この弟子あってこその師匠かもしれませんね。
「“会いに行けるライター” だからって、簡単に会えると思うなよ~!」
Kさんのテンションは、マックスであります。
うれしいやら、はずかしいやら、複雑な思いで杯を重ねました。
でも、美酒であることには間違いありません。
みんな、ありがとね!
愛してるよ~!!
Posted by 小暮 淳 at 12:11│Comments(0)
│酔眼日記