2024年01月21日
おーい!中村くん
コロナ禍で翻弄された数年間。
思えば、もう何年も新年会らしい新年会には、出席していませんでした。
たぶん、4年ぶりだと思います。
昨日、某社の新年会に出席してきました。
会場は、古民家をリノベーションした、今はやりのダイニングバー。
居酒屋慣れしている僕らシニア層には、勝手がわからず、戸惑うばかりです。
貸切られた個室には、大きなテーブルが2つ。
三々五々に集まった出席者が着座しますが、暗黙の裡に世代が分かれました。
右は、40歳以上のシニアテーブル。
左は、30歳以下のヤングテーブル。
総勢15名の内訳は、老若男女とりあわせ、最年長は75歳、最年少は20歳です。
さて、トラブルは、乾杯を前に発生しました。
原因は、テーブルで分けられた世代格差にありました。
メニューがなくて、乾杯のドリンクの注文の仕方が分からないのです!
そうです、今はやりのQRコードをスマホで読み取って、オーダーするスタイルだったのです。
ヤングテーブルは、すでに手際よくオーダーを済ませています。
一方、シニアテーブルは悪戦苦闘。
「店員を呼びましょうよ」
「まったく、便利なんだか、不便なんだかわかりゃしませんよ」
「これだから年寄りは、置いて行かれるんですよ」
とかなんとか口だけは動きますが、一向に注文はできません。
すると……
「注文しましょうか?」
と名乗り出た一人の青年。
最年少20歳の中村君です。
そう言うと、シニアの注文を聞き取り、手際よくスマホからオーダーしてくれました。
「カンパ~イ!」
「今年もよろしくお願いしまーす」
無事に宴が始まりました。
ところが……
「おーい、中村くん」
「おーい、中村くん」
と、ひっきりなしにシニアテーブルから声がかかります。
そうです、追加注文のたびにシニアたちは、重宝で使い勝手のいい中村君を呼ぶのです。
そのたびに、笑い声が上がります。
「何が、おかしいんですか?」
と、キョトンとする中村君。
「そういう歌があるの」
と僕が教えてあげました。
昭和33(1958)に大ヒットした若原一郎の 『おーい中村君』 です。
当然、ヤングテーブルからは 「知らな~い」 の声が。
まあ、昭和も昭和、かなり昔のヒット曲ですからね。
知っていたのは60代以上だったですけどね。
「今度、歌を覚えて、カラオケで歌ってごらん。ウケるよ」
と僕。
「はい、覚えます」
と中村くん。
「両親だって知らないかもよ? って、親御さん、いくつ?」
「52歳と51歳です」
聞いた途端、シニアテーブルからは 「ワ~!」 と驚きの声が上がりました。
「おーい、中村くん! ビールね」
「おーい、中村くん! こっちは冷酒」
「おーい、中村くん! 箸と取り皿、注文して」
歳の差55歳のなんとも不思議で愉快な新年会でした。
Posted by 小暮 淳 at 12:25│Comments(0)
│酔眼日記