2023年06月24日
宿題の答え合わせ
100点満点で200点を期待して観たものの、自己評価は150点だった映画 『怪物』。
ストーリーが少々難解で、伏線の回収に戸惑ってしまい、腑に落ちない箇所が多々ありました。
仕方なく、その日は宿題として持ち帰ることになりました。
(当ブログの2023年6月20日 「死んだ眼をした校長」 参照)
あの日から4日間、僕は頭の中でストーリーを反芻し、腑に落ちなかった箇所をチェック。
僕なりに仮説を立てて、再度、映画館へ。
残り50点を回収すべく、宿題の答え合わせをしてきました。
そしたら、まったく違う映画になっていました。
前回話しましたが、この映画は3章の構成で作られています。
第1章は母親目線、第2章は教師目線、そして第3章が子どもたち目線です。
「怪物、だーれだ?」
のセリフにミスリードされてしまうため、観客は、どうしても謎解きに走ってしまいます。
怪物捜しを急ぐあまりストーリーを追いかけることに夢中になり、伏線として描かれているディテールになかなか気づきません。
僕も1回目は観終わってから 「そういうことだったのか!」 と回収できた箇所がいくつかありましたが、それでも腑に落ちない箇所が残りました。
今回は、その箇所を徹底チェックするつもりで、映画館の座席に座りました。。
すると……
すでにストーリーは頭の中に入っていますから視線に余裕が生まれ、、スクリーンの中の主要人物以外の映像までが入って来ました。
「あっ、あんなところに居たんだ!」
と、1回目では見落としていた人物が、スクリーンの奥のほうに映っていたりするのです。
また、風景や音楽、効果音がハッキリと聴こえてきました。
「あれ、この場面で、こんな音が流れていたっけ?」
というように、1回目では完全に聴き逃していた音が、2回目では確認できました。
そして、エンディングに流れる坂本龍一の美しいメロディー……
観終わったときの余韻の長さといい、まったく1回目と2回目の視聴では、別の映画になっていました。
そのとき分かったのです。
「完全に、してやられた」 と。
監督の是枝裕和と脚本の坂元裕二よる二重三重にも仕組まれたように見せかけた、実は、単純で純粋な良質のラブストリーであることに……
それに気づいたとき、込み上げるものがあり、目頭が熱くなりました。
まだの人は、ぜひ一度。
一度観た人は、ぜひ、もう一度。
劇場へ足を運んでみてください。
きっと依里くんの可愛さに、メロメロになりますよ!
Posted by 小暮 淳 at 12:52│Comments(0)
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