2023年07月15日
『さよならの夏』 が聴こえる②
♪ 光る海に かすむ船は
さよならの汽笛 のこします
ゆるい坂を 下りてゆけば
夏色の風に 逢えるかしら ♪
誰にでも1曲や2曲、そのメロディーを聴いただけで胸が締め付けられ、目頭が熱くなる歌というものがあるものです。
古い読者ならば、覚えている人もいるかもしれませんね。
12年前の夏、やはり同じタイトルのブログを書いたことがありました。
(当ブログの2011年7月28日 「『さよならの夏』 が聴こえる」 参照)
その年は、アニメ映画 『コクリコ坂から』 が公開された年でした。
そして、その映画の主題歌が 『さよならの夏』 でした。
昭和51(1976)年に、森山良子さんが歌った名曲です。
翌52年、僕は夢を抱えて、花の都・東京へ出ました。
そこで出会った2人の女性。
J子ちゃんとKルちゃん。
ともに地方から上京してきた予備校生でした。
2人とも歌が好きで、週末になると僕のアパートに足しげく通っていました。
僕がギターを弾いて、彼女たちが美しいハーモニーを奏でます。
翌年、2人の大学合格を機に、本格的に音楽活動をスタートしました。
コーラスデュオ 「Hamo Hamo」 の誕生です。
僕は2人のプロデュースと、楽曲の提供をしました。
2人との出会いのきっかけが、『さよならの夏』 でした。
「歌のとっても上手い2人がいるから紹介したい」
と知人からデモテープを渡されました。
♪ 光る海に かすむ船は
さよならの汽笛 のこします
ゆるい坂を 下りてゆけば
夏色の風に 逢えるかしら ♪
声とハーモニーの美しさもさることながら、その旋律に魅了されてしまいました。
あれから47年……
昨晩、またテレビで 『さよならの夏』 を聴きました。
アニメ映画 『コクリコ坂から』 が放送されたのです。
何度も観て、物語は知っているはずなのに、やはりラストシーンでは涙がこぼれました。
「来るぞ、来るぞ……」
エンディングに近づくにつれ、僕は身構えます。
そして、あのメロディーが流れた途端、一瞬にして、“あの夏の日” がよみがえってきました。
暑い暑い夏の日。
大都会の真ん中のビルとビルに挟まれた小さなアパートの一室。
扇風機もない六畳一間の部屋で、汗だくになって練習した日々。
でも、僕らには夢がありました。
J子ちゃん、Kルちゃん、どこで何をしているのかな?
あの遠い夏の日を覚えていますか?
『さよならの夏』 を歌った夏を……
Posted by 小暮 淳 at 11:32│Comments(3)
│シネマライフ
この記事へのコメント
『コクリコ坂から』 いいね!
Posted by ごんちゃん at 2023年07月15日 21:04
『コクリコ坂から』僕も観ました。
『さよならの夏』のオリジナルは森山良子さんだったんですね。透き通った伸びやかな声で、僕は森山良子さんの方が好きかもしれない。
『さよならの夏』のオリジナルは森山良子さんだったんですね。透き通った伸びやかな声で、僕は森山良子さんの方が好きかもしれない。
Posted by まいちゃ at 2023年07月16日 01:49
ごんちゃんさんへ
僕はジブリ作品では、この 『コクリコ坂から』 と 『風立ちぬ』 が好きです。
まいちゃさんへ
手嶌葵さんのカバー曲もいいですが、ぜひ、森山良子さんのオリジナル曲も聴いてみてください。
染みますよ!
僕はジブリ作品では、この 『コクリコ坂から』 と 『風立ちぬ』 が好きです。
まいちゃさんへ
手嶌葵さんのカバー曲もいいですが、ぜひ、森山良子さんのオリジナル曲も聴いてみてください。
染みますよ!
Posted by 小暮 淳 at 2023年07月16日 17:05