2015年06月21日
介護は人の為ならず
「ジュンさん、どうしちゃったの?」
「どこか具合でも悪いの?」
酒処 『H』 のドアを開けた途端、一斉に振り向いた常連客らが、口々に言葉を浴びせてきました。
無理もありませんって。
腰の曲がった老人のような格好で、入って来たのですからね。
「カクカク、シカジカなんですよ」
と、『蒲田行進曲』 の階段落ちのような顛末を話しました。
※(詳しくは、昨日のブログ 「マロの独白③ らせん階段」 をお読みください)
「じゃあ、ジュンさんが元気になるように、乾杯!」
ああ、癒やされるひと時であります。
仕事からも、家庭からも、介護からも解放される至福の時間を堪能してきました。
で、一夜明けて・・・
「イテテテ、イテテテ」
何をするにも悶絶する息子を見て、
「おやおや、大丈夫かい? お前のほうが腰が曲がっていて、年寄りみたいだね」
と、ベッドの中のオフクロが笑います。
「ほれ、湿布を貼ってやるから、こっちにおいで」
なーんて、完全に “逆転介護” なのであります。
トホホホ…
でもね、逆転されて、初めて気づいたことがあるんです。
それは、年寄りにやさしい環境は、ケガ人にもやさしいということ!
実家は、オフクロの退院に合わせて、バリアフリーを強化しました。
家中の壁という壁には、手すりが取り付けられています。
何よりもトイレが楽なんですよ!
今の僕には、便器の両脇の手すりがなかったら、到底、使用することができませんもの。
“介護は人の為ならず” ですね。
Posted by 小暮 淳 at 14:15│Comments(0)
│つれづれ