2025年02月05日
死に急ぐ子どもたち③ 過去はあるけど未来がない
毎日、新聞の 「おくやみ欄」 に目を通しています。
無意識なんですが、ついつい自分より年下の年齢に目が止まってしまいます。
決して僕も、もう若くはないのですが、“人生100年時代” といわれる現代では65歳以下の死は、「若過ぎる」 としか言いようがありません。
たまにですが、20代や10代の若い人の名前があると、いたたまれない気持ちになります。
喪主欄に、「父」 「母」 とあると、さらに胸が苦しくなります。
親御さんの心情は、いかばかりかと……
死因は、病気なのか? 事故だったのか?
もしかしたら……
先日、厚生労働省が警察庁の自殺統計を基にまとめた2024年の自殺者数 (暫定値) を発表しました。
これによると全体の自殺者数は2万268人 (前年比1,569人減) だっのに対して、小中高生の自殺者は527人 (同14人増) で、統計を取り始めた1980年以降で過去最多となりました。
僕は毎年、この時期になるとブログに 「死に急ぐ子どもたち」 と題して、記事を書いています。
そのたびに、「過去最高」 と記しているんですね。
なぜ、この国は、全体の自殺者が減少傾向にあるのに、子どもたちの自殺は増え続けているのでしょうか?
小中高生の自殺者は 2020年に前年比100人増の499人と大幅に増加して以降、500人前後で高止まりしています。
(といっても少しずつ増えているんです)
2020年の急増は、コロナ禍が影響していると見られています。
コミュニケーション不足により、孤立する子どたちが増えたからかもしれません。
でもコロナが落ち着いたというの、増え続けているというのは、なぜなんでしょうか?
小中高生の内訳は、次の通りです。
小学生15人 (前年比2人増)、中学生163人 (10人増)、高校生349人 (同2人増)。
男女別では、男性239人 (同20人減)、女性288人 (34人増) でした。
特に女子中学生 (同19人増) と女子高校生 (同17人増) の増加が大きいようです。
ちなみに、19歳以下の女性の自殺原因および動機を見ると、病気などの 「健康問題」、学友との不和などの 「学校問題」、親子関係の不和などの 「家庭問題」 の順に多かったと報告しています。
全体の自殺者が減少しているのに、死に急ぐ子どもたちが増え続けているって、どういう国なんでしょうか?
うがった見方をすれば、“未来” が見えない国ということです。
一方、大人たちの自殺が減少しているのは、“未来” が無くても生きていけるから?
令和になってから、やたらと 「あの頃は良かった」 と昭和を懐古する風潮が蔓延しています。
日本という国は、令和の世の中に “生きがい” を感じられなくなってしまったのでしょうか?
過去はあるけど、未来がない国だなんて……
Posted by 小暮 淳 at 12:03│Comments(0)
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