2016年03月03日
やさしい判決
どんだけの国民が、安堵したことでしょうか!
認知症の高齢者が列車にはねられ、鉄道会社に損害を与えた場合、家族が賠償責任を負うべきかが争そわれた裁判で、 「家族に責任はなし」 との判決が下りました。
我が家も他人事ではありません。
固唾をのんで、裁判のゆくえを見守っていました。
オヤジは91歳。要介護認定は2ですが、認知症はかなり進んでいます。
過去には、散歩の途中で行方不明になり、他人様や警察の厄介になったこともあります。
現在は、門扉のカギを二重に施錠して、外出禁止にしています。
が……
いつなんどき、包囲網を突破して、街を徘徊するかは分かりません。
だって、すきあらば、突破しようとしていますからね。
「ああ、外の空気が吸いたいな~」
とかなんとか言って、部屋から出てくると、庭を歩いて門の所まで行きます。
そして、
「あっ、カギがかかっている」
そう言っては、あきらめて部屋へともどって行くのですが、いつも、そうとは限りません。
ウロウロ、ウロウロ、ウロウロ・・・
まるで動物園のクマのように、門の前を行ったり来たり。
時には、ガチャガチャとステッキを使って、カギを壊そうともします。
ま、二重のカギうち1つは、ワイヤー式ですからね。
老人の力では、そう簡単には壊れませんけど。
でもね、ツライものですよ。
クマのように徘徊しているのは、自分の親ですからね。
できるものなら、もっと自由に、好き勝手に、どこへでも行かせてあげたいですよ。
そんなおりに下された、今回の “やさしい判決” は、「この国も捨てたものじゃないね」 という介護へのかすかな希望がもてるものでした。
ただ、認知症の問題は、始まったばかりです。
日本は、ますます超高齢化社会を迎えます。
今後、法律は、どこまで国民にやさしくなれるのでしょうか?
Posted by 小暮 淳 at 01:55│Comments(0)
│つれづれ