2011年04月27日
猪ノ田温泉 「久惠屋旅館」⑤
今日は、ちいきしんぶん(ライフケア群栄)の取材で、猪ノ田(いのだ)温泉の一軒宿「久惠屋(ひさえや)旅館」へ行って来ました。
1月に訪れていますから、今年に入って2度目の取材であります。
やっぱり、遅かった!
すでにカタクリの花が、みんな落ちてしまっていました。
2年前、出版の取材で訪れたときは、開花期ドンピシャで、駐車場をはさんで山の斜面と旅館の庭に、紅紫色の花が咲き乱れていたのです。
今日も、かすかな期待はあったものの、残念……。
ダラリと葉を地面に落とした、花のない姿が、ちらほら残骸のように残っているだけでした。
「今年も見事でしたよ」
と女将の深澤信子さん。
「ああ、見たかったんですけど、来るのが遅過ぎましたね」
と肩を落とす僕。
「黄色いのだけ咲いてますけどね」
そういって女将は、庭の花壇を指差しました。
えええーっ、黄色いカタクリですかーーーー?
確かに花壇の中で、品の良い黄色いカタクリが咲いていました。
「これ、園芸種でしょ?」
と僕。
すると女将は 「ムフフフっ」 と、目だけで笑って見せました。
なーんだ。
でも、女将の茶目っ気が、とっても可愛くて、心がほっこりしたのです。
なんだか今回も、大歓迎されてしまいました。
女将、若女将、そして主人まで勢揃いして、お出迎えです。
「もう何回も来てますから、記事はお任せでいいですかね?」
決して、手抜きをしようっていうんじゃありませんよ。
「いつもいつも、ありがとうございます。よろしくお願いします」
ということで、取材は完了!
お茶を飲みながら、世間話が始まりました。
震災のこと、その後のキャンセルのこと、それでも少しずつ客が戻ってきたこと、GWはまずまずの予約状況であること、などなど……。
元気に湯を守り続けている主人と女将と若女将の明るい笑顔に、安心しました。
2月に掲載された朝日新聞の記事の話になりました。
今でも新聞を持って、やって来る人がいるとのこと。
嬉しいですね、ライター冥利に尽きます。
掲載日に、「新聞を読んだのですが、すぐに行けないので、源泉入り石けんを送って欲しい」という電話があったそうです。
最近になって、その人が旅館を訪ねて来たといいます。
そして、こんなことを言って帰りました。
「ありがとうございます。送っていただいた石けんのおかげで、首にあった腫瘍が、きれいに消えてなくなりました」と!
「小暮さん、温泉って、本当に不思議なものですよね」
と主人。
「本当ですね。だから何百年と人は温泉を大切に守り続けてきたんですね」
と僕。
主人は毎日、泉源地に手を合わせているといいます。
女将は毎日、入浴の際、湯に「ありがとう」と感謝の言葉をかけているといいます。
Posted by 小暮 淳 at 21:26│Comments(3)
│温泉地・旅館
この記事へのコメント
読んでて目頭が熱くなりました。
温泉好きでよかったと思った朝でした。
温泉好きでよかったと思った朝でした。
Posted by ぴー at 2011年04月28日 09:47
温泉の成分やら 適応症を科学的に調べ
健康維持に有効な モノとして 国に認めてもらいたいですね
入浴剤以下の 扱いなんて 理解に苦しみます
健康維持に有効な モノとして 国に認めてもらいたいですね
入浴剤以下の 扱いなんて 理解に苦しみます
Posted by momotaka at 2011年04月28日 11:17
ぴーさんへ
いい温泉には、いい湯守がいるんですね。
momotakaさんへ
日本が、温泉治療に健康保険が適用される国になれると、いいですね。
いい温泉には、いい湯守がいるんですね。
momotakaさんへ
日本が、温泉治療に健康保険が適用される国になれると、いいですね。
Posted by 小暮 淳 at 2011年04月28日 16:08