2013年03月09日
手打ちラーメンとカップラーメン
「小暮さんは、日帰り温泉には行かないのですか?」
よく聞かれる質問です。
「そんなことは、ありませんよ」
と一応は答えるのですが、僕は温泉ライターですから基本的に仕事では行きません。
ただし、時と場合によっては行きます。
どんな時と場合なのかといえば、「汗を流しに」であります。
拙著 『ぐんまの里山 てくてく歩き』(上毛新聞社) でも書いているように、山歩きのあとなどに、うまいビールを飲むために日帰り温泉施設に立ち寄って、汗を流します。
また真夏の暑い午後に、立ち寄って汗を流してから飲み屋へ行ったりします。
この場合、僕にとって日帰り温泉施設は 「温泉」 ではなく、あくまでも 「銭湯」 として利用しています。
温泉には大きく分けて2つの種類があると思います。
「自然温泉」 と 「加工温泉」 です。
読んで字のごとく、人間が手を加えていない温泉と、手を加えている温泉です。
温泉ファンなら誰でも知っていることですが、源泉100パーセントを使用して 「加水なし」 「加温なし」 「完全放流式(かけ流し)」 である状態が、最良の温泉です。
源泉が高温のために加水する場合もあります。
酸性やアルカリ性が極端に強いために加水する場合もあります。
また、源泉の温度が低いために加温する場合もあります。
乳製品に例えるならば、ここまでが 「生乳」 「牛乳」 の範囲でしょうね。
これに消毒剤や入浴剤を加えて、循環ろ過を繰り返している温泉(?) があります。
これなどは、「乳飲料」「乳製品」 の類いになります。
なかには、すでに 「温泉」 の原型をとどめない、まったく別の液体になっている入浴施設もあります。
これでは、無果汁のジュースと同じです。
間違っても、温泉とは呼べません。
あえて呼ぶなら、「加工温泉」 「温泉風銭湯」 の表記のほうが正しいでしょう。
僕は講演会やセミナーで、この “似て非なる” 温泉のことを、カップラーメンやインスタントコーヒーに例えます。
どちらも 「ラーメン」 「コーヒー」 と名前が付いていますが、“本来” のラーメンやコーヒーではありません。
人間が、便利を求めて作り出した “コンビニエンス商品” ですよね。
だから、生活の中では “代用” として使っています。
だって、カップラーメンより専門店の手打ちラーメンのほうが美味しいし、インスタントコーヒーとレギュラーコーヒーでは味も香りも違います。
なのに、温泉だけが、なぜ平然とひとくくりに同じ 「温泉」 という表記がされているのでしょうか?
これでは、一般の消費者には、まったく温泉の中身が分かりません。
ぜひ、温泉法の改正とともに、「加工温泉」「温泉風銭湯」 の表記義務を制定してほしいものです。
Posted by 小暮 淳 at 18:28│Comments(1)
│温泉雑話
この記事へのコメント
今日も用事の前に食事ってことで、近場の川口豚喜へ。日曜のお昼だけど店外待ちゼロ、店内待ち2人ですぐ座れた。近くのリンガーハットは10人待ちだってのに・・・。そういえば最近リンガーハットが出てたテレビやってたな。川口市民の情報源はテレビだけなのか?そんなはずはない!・・・のか?
Posted by バッグスーパ at 2013年05月10日 12:33