2016年06月16日
伊香保温泉 「市川別館 晴観荘」
こんなことって、あるんですね。
僕は年に約100ヶ所、10数年にわたり、温泉旅館を取材して回っています。
思わぬ出会いや偶然に遭遇することは時々ありますが、あまりにも多くの偶然が重なると、なにやら運命的な縁を感じるのであります。
「市川別館 晴観荘」 は、明治初期に伊香保温泉石段街に開業した「市川旅館」 の別館として、昭和32年に建てられました。
当時は近隣に旅館はなく、森の中の一軒宿で、まだ道路も整備されていなかったといいます。
開業から60年経った今でも、環境は変わっていません。
1万5,000坪という広大な敷地に、ポツンと建っています。
ここが伊香保温泉であることを忘れてしまうほどの静かな森の中です。
駐車場から木立のエントランスを抜けて、宿に近づくと、玄関脇に見覚えのある絵が掛かっていました。
大きな布のタペストリーに描かれているのは、同館のマスコットキャラクターの 「水天宮」 です。
この絵をデザインしたのは、友人のイラストレーター、飯塚裕子氏であります。
館内に入ると、ロビーや売店にも、彼女がデザインしたキャラクターや文字がいっぱいでした。
※(彼女のことは、当ブログの2016年5月27日 「伊香保温泉 よろこびの宿 しん喜」 参照)
と思ったらロビーの一角には、水彩画家の筑井孝子氏の画集販売コーナーがあり、廊下のいたるところに彼女の絵画が飾られています。
さらに3代目女将の茶木万友美さんに案内された食事処の 「浅間」 という間には、版画家の野村たかあき氏の絵が何点も飾られているではありませんか!
なんで、こんなにも友人や知人の作品ばかりが展示されているのでしょうか!?!?
女将に訊ねても、彼女の趣味や知り合いからの紹介とのことで、まったくの偶然としか言いようがありません。
そ、そ、そして!
極めつけは、ご主人の茶木茂直さんとの雑談で判明した、共通の知人の数です。
ご主人とは、まったくの初対面なのに、僕の小学校や中学校の同級生の名前が次から次へとポンポンと飛び出してきたのです。
し、し、しかも!
噂をすればなんとやらで、僕が泊まった昨晩、ご主人の元へ、同級生の1人から偶然にも電話がかかってきたといいます。
「小暮さんが来られていることを話したら彼も驚いていましたよ」
一夜明けた今朝、ご主人に告げられたときには、さすがに鳥肌が立ってしまいました。
縁は異なもの不思議なもの。
それでも、これだけの偶然が重なると、気味が悪いほどです。
たぶん、こちらのご夫妻とは、いつか出会う運命だったのでしょうね。
Posted by 小暮 淳 at 19:08│Comments(0)
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