2018年04月25日
川場温泉 「悠湯里庵」⑤
<まだ木の香が漂う新しい湯舟に、悠久の時を超えて湧きつづける古湯が、かけ流されている。ややぬるめだが、ツルンとした滑らかな浴感のする湯だ。古くも新しい湯、新しくも古い宿、「新」 と 「古」 が見事に融合している。>
( 『群馬の小さな温泉』 より)
2009年4月、NHK文化センターのカルチャー前橋教室に、全国で唯一の “野外温泉講座” が開講しました。
前例のない講座の講師を引き受けて、はや9年。
今月から10年目を迎えました。
開講当初は、県内在住の受講者で占められていましたが、年々、そのウワサや情報が知れ渡り、現在では県外からの受講生が増えています。
今年度から新しく受講するOさん(女性) は、東京都からの参加です。
聞いて驚くなかれ、御年89歳!
もちろん介助なして、単独での参加です。
「埼京線と新幹線で来ました」
と、かくしゃくとしたスピーチに、在講生一同、驚愕であります。
僕のオフクロは90歳。
寝たきりのオフクロと比べたら申し訳ありませんが、それでも嫉妬してしまうほどの元気であります。
一人でどこへでも行けて、大好きな温泉めぐりができるなんて、うらやましい限りです。
さてさて、記念すべき10年目となる2018年度上期の第1回講座を飾ったのは、川場温泉(群馬県利根郡川場村) の 「悠湯里庵(ゆとりあん)」 であります。
薬師温泉(群馬県吾妻郡東吾妻町) 「旅籠」 の姉妹館として知られる 「悠湯里庵」 ですが、この講座では8年前のオープン年に訪ねています。
当時は、かやぶき屋敷の宿泊棟は4棟で客室も全8室でしたが、その後、裏山の斜面に10室の別館 「悠山」 が完成しました。
今回は、この新しくできた 「悠山」 を訪ねることにしました。
「悠湯里庵」 といえば 「旅籠」 同様に、かやぶき屋敷の旅館として有名ですが、「旅籠」 との違いは全国でも珍しいアトラクション(?) があることです。
アトラクションとは?
宿泊棟へは、無人の電気カートで移動します。
そして新たに、別館へ行くために作られたのが、モノレールです!
僕は去年、プレス向けの内覧会に招待され、ひと足先にモノレールを体験しました。
その時に、「絶対に講座でも来よう! 受講生たちにも、この体験をさせてあげたい」 と思ったのです。
で、やっと昨日、その夢が叶いました。
モノレールの定員は10名なので、2班に分かれて乗車。
急な斜面をグングン登る、その力強さに喚声が上がります。
振り返れば、本館のかやぶき屋根が、遠ざかっていきます。
モノレールは、宿泊棟を通過して、頂上の展望台へ。
眼下には、新緑に萌え出した川場盆地が広がります。
天気は、あいにくの雨でしたが、かえって霧に煙った幻想的な風景となり、受講生らには大好評でした。
これから田植えの季節となり、さらに緑豊かな景色を彩ります。
まさに、ここは日本の原風景!
僕の大好きな風景です。
湯は、開湯1200年の歴史をもつ 「弘法の湯」。
弘法大師(空海) により発見されたといわれる名薬湯です。
“湯よし、宿よし、食よし”
受講生一同、大満足の一日でした。
Posted by 小暮 淳 at 11:40│Comments(0)
│温泉地・旅館