2012年02月28日
坂口温泉 「小三荘」②
先週末、取材旅行から帰るなり体調をくずして、寝たり起きたり、ときどき原稿を書いたり本を読んだりと、インドアな生活をグダグダと過ごしていたのですが、今日は天気も良いし、アポも取ってあったこともあり、重い腰(痛い腰)を上げて取材に出かけてきました。
訪ねたのは、西上州の名薬湯のほまれ高き坂口温泉であります。
坂口温泉といえば、あのトロトロのゲル状の重い湯が特徴の「薬師の湯」源泉です。
開湯、約300年。別名を 「たまご湯」 と呼ばれ昔から珍重されてきた温泉であります。
(詳しくは、当ブログ2010年9月14日 「坂口温泉 小三荘」 参照)
明治時代には 「塩ノ入鉱泉」 と呼ばれていた西上州では数少ない湯治場でした。
名前の通り、泉質は重曹を含む弱アルカリ性の食塩泉です。
重曹を含んでいることは昔から知られていたようで、近在の人たちは、この鉱泉で、まんじゅうを作っていたとのこと。
ほんのり塩味のきいた美味しいまんじゅうができることでしょうね。
で、今日も、このありがたいお湯をいただいてきました。
戦前から、宿泊よりも 「立ち寄り湯」 として繁盛していた温泉だけあり、11時の開館と同時に続々と入浴客がやってきます。
「ここの湯には、毎日入りに来る」 という男性と一緒になり、いかにここの湯が素晴らしいかの自慢話を聞かされました。
でもね、僕だって負けてはいませんよ。
過去には、本や雑誌、新聞の取材で、たびたび訪れていますからね。
歴史なんかも交えながら、湯談義に花を咲かせました。
ここは内風呂しかありませんが、そのぶん窓を一面に大きくとってあるので、裏庭の景色を望むことができます。
竹林のなかに、小さな石仏が何十体と壇上に並んでいます。
これが 「薬師の湯」 の名で親しまれてきたゆえんです。
「医王仏」 ともいわれる祈願仏です。
医学や医薬が発達していなかった時代のこと、村人たちは霊験あらたかな「お薬師様」に病が治るようにと、願をかけました。
そして病を治してくれてお礼にと、奉納されたのが、この石仏群です。
僕は、いつもここへ来ると、医王仏に願をかけます。
もちろん、今日は 「腰痛が治りますように」 でした。
おかげさまで、その後は、とても調子がいいんですよ。
これは、ただ単に信心深いだけではなく、トロトロの 「たまご湯」 を腰のまわりにヌルヌルとこすりながら入ったからだと思います。
僕が知る限りでは、あのトロトロ加減は、県内でも1、2を競う濃厚な湯であります。
まだ未体験の人は、ぜひ一度入ってみてください。
“西上州の名薬湯” と呼ばれる意味を体で知ることでしょう。
Posted by 小暮 淳 at 21:20│Comments(2)
│温泉地・旅館
この記事へのコメント
トロトロ含重曹アルカリ食塩泉 LOVE
Posted by ぴー at 2012年02月29日 09:15
ぴーさんへ
坂口温泉、まだでしたら、ぜひ一度体験してみてください。
ご主人と女将さんも、とってもいい人ですよ。
坂口温泉、まだでしたら、ぜひ一度体験してみてください。
ご主人と女将さんも、とってもいい人ですよ。
Posted by 小暮 at 2012年03月01日 01:36