2012年03月30日
猿ヶ京温泉 「旅籠屋 丸一」
昨年の暮れから、猿ヶ京温泉に入り込んで、徹底取材を続けています。
現在、24温泉宿(旅館・民宿) 中、すでに14軒の取材が終わりました。
これから夏までの間に、残りの宿と外湯(共同湯) ほか、資料館・記念館・演芸場などの施設、グラビア撮影ロケをこなします。
当然、僕が入り込んで取材する温泉地は、猿ヶ京だけではないので、かなりハードスケジュールで進行するのは必至です!
これも、温泉ライターの宿命と思い、覚悟しています。
しっかし、群馬の温泉は、奥が深過ぎます。
たぶん、僕は一般の人より “人百倍” 温泉地を訪ねていると思います。
なのに、それでも知らない事に、次から次へと出合うんですね。
今回も、目からウロコの取材ネタばかりでした。
昨晩は、「旅籠屋 丸一」 に泊めていただき、その周辺を取材して来ました。
もちろん、「丸一」 という旅館が猿ヶ京温泉にあることは、僕も知っていました。
国道17号沿いにある、黒塀に囲まれた純和風の旅館です。
だいたい、想像はしていたんですよ。
外観から、察しはつきます。
部屋はこんな感じで、浴室はこんな風で、お湯はこうで、料理はこんなもんでしょう・・・
なんて、過去の経験から推測して、大概は遠からず的中しています。
がっ!
見事に、すべて裏切られました。
もちろん、良い方へですよ。
とにかく、まず歴史が凄い!
創業が、江戸時代の享保年間と言いますから、ざっと300年近くも昔です。
実際、宿に残る天保年間(1830~1844) の過去帳「諸業高名録」 には、すでに初代創業者の名前が残されています。
で、僕が昨日お会いした主人は、15代目の窪田一生さんです。
とにかく館内を案内してもらっても、驚きの連続でした。
玄関を入れば、いきなり幕末の三舟(勝海舟、高橋泥舟、山岡鉄舟) の書。
かと思えば、江戸時代の高名な作家の水墨画や屏風絵が、あちらこちらの壁に飾られている。
これらは、すべて財を成した7代目のコレクションだといいます。
その7代目が明治4年に建てた蔵を解体して、建てられたのが湯屋の「蔵の湯」です。
この湯屋が、圧巻です。
蔵の礎に使われていた敷石の土間、高い天井の太い梁、箱階段、化粧直しした長持ち・・・
何から何まで、息を呑みます。
僕らが泊まったのは、離れの一室。
本館へも、湯屋へも、一度外へ出て、夜風にあたります。
桜のつぼみもほころんで、湯上がりに春の宵は、なんとも心地良いのであります。
広い敷地内には茶室や東屋がいくつも配されています。
ほろ酔い気分で庭園を散策して、疲れたら一服・・・
また歩き出して、今度は敷地続きにある 「別館 万葉亭」 へ。
こちらには、貸切の風呂が4ヶ所もあるんです。
どちらに宿泊しても、すべての風呂が利用できます。
そして、何が一番驚いたかって、プライスです!
1泊2食の料金が、1万円以下って~~! ! ! !
主人いわく
「高くて良いものを提供するのは、当たり前。安くて良いものを提供するのが、旅館業です」
も~~う、その言葉にしびれてしまいました。
さすが、血でしょうね。
伊達に300年も旅館業を営んでいないということです。
大変、御見逸れいたしました。
Posted by 小暮 淳 at 21:56│Comments(2)
│温泉地・旅館
この記事へのコメント
HP見てきましたけども…私好み❧
書、日本画、蔵、囲炉裏、アロマ…そして案外リーズナブル❤
水上方面に興味がでてきました
正直、こんなよい宿があるとは思っていなかったところがありまして
奥が深すぎて、貞子も見えません。
本が待ち遠しい❤
書、日本画、蔵、囲炉裏、アロマ…そして案外リーズナブル❤
水上方面に興味がでてきました
正直、こんなよい宿があるとは思っていなかったところがありまして
奥が深すぎて、貞子も見えません。
本が待ち遠しい❤
Posted by ぴー at 2012年03月31日 10:23
ぴーさんへ
本当に、群馬の温泉は奥が深いんですよ。
県内には、約600軒の温泉宿があります。
生きているうちに、すべて回り切れるかどうか・・・
1軒でも多くの温泉宿を世に出すために、頑張りま~す!
本当に、群馬の温泉は奥が深いんですよ。
県内には、約600軒の温泉宿があります。
生きているうちに、すべて回り切れるかどうか・・・
1軒でも多くの温泉宿を世に出すために、頑張りま~す!
Posted by 小暮 at 2012年03月31日 17:31