2016年06月29日
栃尾又温泉 「自在館」
医学的に治療効果のある温泉水を療養泉といいます。
温泉法では、その主成分により9つの泉質に大きく分類されています。
単純温泉、二酸化炭素泉、炭酸水素塩泉、塩化物泉、硫酸塩泉、含鉄泉、硫黄泉、酸性泉、放射能泉です。
このうち8つの泉質の温泉が、群馬県内にあります。
唯一、存在しないのが放射能泉です (微量の放射能を含む温泉はあります)。
“ない” ということは、海と同じで、県民にとってはあこがれの温泉だと言っていいかもしれませんね。
放射能泉は日本には珍しい泉質で、全国に数えるほどしかありません。
が、僕が講師を務めるNHK文化センターの野外温泉講座では、過去に増富ラジウム温泉(山梨県) へ行っています。
昨日は、久しぶりに放射能泉に入りたくなり、受講生らと新潟県の栃尾又温泉へ行って来ました。
栃尾又温泉の歴史は古く、約1,200年前に高僧行基により発見、開湯されたと伝わります。
今回、お世話になった 「自在館」 は、400年以上の歴史を持つ昔ながらの湯治宿で、宿の隣に建つ薬師堂の 「子持ち杉」 の言い伝えとともに、「子宝の湯」 として知られています。
僕も受講生らも、「自在館」 を訪ねるのは初めて。
最初に出迎えてくれる本館には、「日本秘湯を守る会」 の提灯が掛かっていました。
道をはさんだ向かいには、大正時代に建てられた木造三階建ての旧館があり、双方は中空をつなぐ渡り廊下で行き来することができます。
雰囲気は、やはり 「日本秘湯を守る会」 の会員宿である法師温泉 「長寿館」(群馬県みなかみ町) に似ていますね。
どちらも歴史がある、日本を代表する秘湯の宿です。
大広間で旅装を解いてから、男性は 「おくの湯」 へ、女性は 「したの湯」 へと分れて入浴することに。
本館から渡り廊下をわたり旧館へ。旧館からはサンダルに履き替えて、離れの浴室棟へ。
その行程が、平成から昭和、昭和から大正へと時代をさかのぼるようで、実に湯心をかき立てるのであります。
「おくの湯」 の浴槽は3つに仕切られていて、真ん中が約30℃の低温、手前が約37℃の中温、奥が40℃以上に加温されています。
源泉は28.5℃~37.2℃の3本あるとのこと。
放射能泉の多くは25℃未満が多いのですが、こちらは比較的高い温度で自然湧出しているので、大変珍しい放射能泉といえます。
以前行った増富温泉に比べると、湯は無味無臭で、肌触りもサラサラとしたやわらかな感覚を受けました。
ただ、いくらやさしい湯だといってもラジウムを含んだ温泉です。
ぬるいからと長湯をし過ぎると、湯あたりをしかねません。
やはり湯上がりは、ドッと汗が吹き出てきて、なかなか服が着れませんでした。
ただ僕個人の感想としては、増富温泉ほど体がダメージを受けていませんでしたね。
あの時は、帰りのバスの中で、背骨を抜かれ体全体が重力に押しつぶされたようにグズグズにくずれていましたから……。
これは後から分ったことですが、放射能泉は泉温が低いほどラジウムの含有量が多く、増富温泉は含有量が世界有数だということです。
さて、次回の温泉講座は?
受講生のみなさん、楽しみにしていてくださいね。
Posted by 小暮 淳 at 13:58│Comments(2)
│温泉地・旅館
この記事へのコメント
あれっ!!栃尾又温泉とは遠征ですね(笑)
スキーで泊まった以来で最近は行っていませんが(^^;
新潟と福島の県境の栃尾又温泉!
自在館は湯治の宿ですね!温泉好きの先輩と自在館に行く計画中♪
足利からでは福島からのアクセスが便利ですね
スキーで泊まった以来で最近は行っていませんが(^^;
新潟と福島の県境の栃尾又温泉!
自在館は湯治の宿ですね!温泉好きの先輩と自在館に行く計画中♪
足利からでは福島からのアクセスが便利ですね
Posted by うえちゃん at 2016年06月29日 14:33
うえちゃんへ
温泉講座では、群馬県内だけでなく近県の名湯&秘湯へも足をのばしています。
栃木県の温泉へも何度か行きましたよ。
おすすめの温泉がありましたら、ぜひ紹介してください。
温泉講座では、群馬県内だけでなく近県の名湯&秘湯へも足をのばしています。
栃木県の温泉へも何度か行きましたよ。
おすすめの温泉がありましたら、ぜひ紹介してください。
Posted by 小暮 淳 at 2016年06月30日 11:37