2021年02月17日
東京だヨ おっ母さん
「うわぁ~、こわいよ~! 倒れて来んかね?」
もう40年以上も昔のこと。
オフクロが、東京で暮らしていた僕を訪ねて来たことがありました。
あまりにも昔過ぎて、なんで、やって来たのか理由は忘れましたが、オフクロを連れて、東京見物をした思い出だけは残っています。
冒頭のセリフは、新宿へ連れて行ったときのオフクロの第一声でした。
副都心の高層ビル群を見上げた途端、めまいでも起こしたのか、路上に、うずくまってしまいました。
あの時、オフクロは、いつくだったのだろうか?
そう思って計算してみると、ナント! 51歳でした。
僕の記憶では、もっと年老いていたイメージがあったんですけどね。
今日、久しぶりに東京へ行って来ました。
港区・汐留に本社がある某企業が主宰する関東地区特別講演会の講師に選ばれ、群馬県代表として講話をしてきました。
もちろん、テーマは温泉です。
でもコロナ禍のご時世ですから、数名の社員とスタッフの前で話し、その様子をビデオカメラで撮影。
後日、リモート配信されることになりました。
講演自体は、滞りなくサクサクッと終わり、社員やスタッフらと雑談の後、タクシーに乗り込みました。
無事、大役を終えた安堵からでしょうか、行きには気にならなかった車窓からの風景を、改めて、まじまじと見入ってしまいました。
ビルが高い……
そう思ったとき、死んだオフクロの声が聞こえたのです。
「倒れて来んかね?」
あの時、僕は、ビルの谷間にうずくまるオフクロに、なんと声をかけたのだろうか?
「大丈夫だよ、ちゃんと設計されて、建ってるんだから」
とでも言ったのかもしれませんね。
東京駅に着いた僕は、早々に新幹線に乗り込んでしまいました。
ビル街が消え、まばらな住宅地となり、遠方に山影が見えてくると、ホッとしている自分がいます。
やっぱり僕は、オフクロの子です。
田舎もんです。
なんだか都会が、こわいんです。
Posted by 小暮 淳 at 18:24│Comments(0)
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