2022年07月19日
昭和の悪ってカッコイイ!
相変わらず僕のマイブーム “昭和あるある” は続いています。
一日のすべての仕事を終え、のんびりと酒を呑むとき、ナイトキャップの友は、もっぱらユーチューブです。
それも昭和のドラマや映画を探し出して、懐かしさに酔眼しています。
最近、観た映画に、『あぶない刑事』 と 『ビー・パップ・ハイスクール』 があります。
当時20代だった僕は、この手の作品には興味がなく、すべてスルーしていました。
それが、この歳になって観ると、面白いんですね。
何が楽しいかって、登場人物のファッションや街並み。
そして当時のアイドルたち……
今は完全に芸能界から姿を消してしまっている人もいて、昭和の芸能史を見ているようで飽きません。
現代では公序良俗や安全管理、ジェンダー面など、問題がありそうな場面が多々登場しますが、それはそれで、ツッコミどころ満載で楽しいのです。
で、何が令和の今と一番違うかというと、“ワル” の描き方です。
短気でカッとなりやすく、手が速く、暴力的ではあるのですが、実は心根はやさしい。
とっても分かりやすい、ステレオタイプのワルばかりです。
単純でズル賢くないところが、好感を抱くようです。
だから昭和の映画の主人公は、ワルが多いのだと思います。
令和の若者たちに昭和の映像を見せると、一様に驚く3つ “非常識” があるそうです。
「喫煙」 と 「ノーヘル」 と 「シートベルト」
昭和の映画やドラマでは、喫煙シーンが欠かせませんでした。
電車の中だろうが、病院の待合室だろうが、のべつまくなし、紫煙をくゆらすシーンのオンパレードです。
刑事ドラマの張り込みでは、足元の吸い殻の山で、時間の経過を表現していたくらいですからね。
また暴走族しかり、逃げる犯人しかり、追いかける刑事しかり、走るバイクのドライバーはノーヘルでした。
でも、今見るとノーヘルの方が臨場感があるし、何より演じている役者さんの表情も見て取れます。
これがヘルメット着用だと、表情が分からないだけではなく、切羽詰まった逃走感が伝わりません。
そして、シートベルト。
令和のドラマでは当然、装着していますが、違和感を感じる時ってありませんか?
1分1秒を争う逮捕劇で、いくら交通ルールだといっても車を発車させる前に、律儀にシートベルトを装着するシーンって、なんだか臨場感に欠けます。
そこへ行くと、昭和の逃走および追跡シーンは、迫力があります。
くわえタバコのサングラス姿の刑事が、車に飛び乗ると、いきなりギアを入れて急発進!
バイクで逃げる犯人もノーヘルで、一方通行を逆走!
と思えば、追尾するパトカーに向かって走り、間髪交わし、パトカー同士が衝突して炎上!
これぞ、昭和の刑事ドラマです。
時代と共に “悪” の質も変わりました。
令和の世になり、単純明快なワルは姿を消して、ネットやSNSを駆使した頭脳派の犯罪が増えています。
それに伴い、勧善懲悪から難解複雑なストーリー性が好まれるようになっているのかもしれませんね。
でもね、ナイトキャップの友だもの。
分かりやすいワルを分かりやすく成敗してくれる正義のヒーローが、安眠をいざなってくれるのです。
僕の昭和熱は、もうしばらく続きそうです。
Posted by 小暮 淳 at 14:01│Comments(0)
│昭和レトロ