温泉ライター、小暮淳の公式ブログです。雑誌や新聞では書けなかったこぼれ話や講演会、セミナーなどのイベント情報および日常をつれづれなるままに公表しています。
プロフィール
小暮 淳
小暮 淳
こぐれ じゅん



1958年、群馬県前橋市生まれ。

群馬県内のタウン誌、生活情報誌、フリーペーパー等の編集長を経て、現在はフリーライター。

温泉の魅力に取りつかれ、取材を続けながら群馬県内の温泉地をめぐる。特に一軒宿や小さな温泉地を中心に訪ね、新聞や雑誌にエッセーやコラムを執筆中。群馬の温泉のPRを兼ねて、セミナーや講演活動も行っている。

群馬県温泉アドバイザー「フォローアップ研修会」講師(平成19年度)。

長野県温泉協会「研修会」講師(平成20年度)

NHK文化センター前橋教室「野外温泉講座」講師(平成21年度~現在)
NHK-FM前橋放送局「群馬は温泉パラダイス」パーソナリティー(平成23年度)

前橋カルチャーセンター「小暮淳と行く 湯けむり散歩」講師(平成22、24年度)

群馬テレビ「ニュースジャスト6」コメンテーター(平成24年度~27年)
群馬テレビ「ぐんまトリビア図鑑」スーパーバイザー(平成27年度~現在)

NPO法人「湯治乃邑(くに)」代表理事
群馬のブログポータルサイト「グンブロ」顧問
みなかみ温泉大使
中之条町観光大使
老神温泉大使
伊香保温泉大使
四万温泉大使
ぐんまの地酒大使
群馬県立歴史博物館「友の会」運営委員



著書に『ぐんまの源泉一軒宿』 『群馬の小さな温泉』 『あなたにも教えたい 四万温泉』 『みなかみ18湯〔上〕』 『みなかみ18湯〔下〕』 『新ぐんまの源泉一軒宿』 『尾瀬の里湯~老神片品11温泉』 『西上州の薬湯』『金銀名湯 伊香保温泉』 『ぐんまの里山 てくてく歩き』 『上毛カルテ』(以上、上毛新聞社)、『ぐんま謎学の旅~民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん)、『ヨー!サイゴン』(でくの房)、絵本『誕生日の夜』(よろずかわら版)などがある。

2025年01月28日

入荷しました!


 「えっ、小暮さん!?」
 「おお、久しぶり!」

 出版社のロビーで、懐かしい顔に声をかけられました。
 その昔、一緒に仕事をしたことがある社員です。

 「打ち合わせですか?」
 「いや、本を買いに」
 「本?」
 「うん、自分の本を買いに来たんだよ」
 「えっ! 著者自らがですか?」

 彼は驚いていましたが、時々こうやって、僕は自分の本を仕入れています。
 というのも講演会やイベント等で、主催者側から会場での著書の販売を頼まれることがあるからです。


 ということで、さる主催者からイベントでの著書販売の依頼があり、在庫を調べてみると、指定された著書が1冊もありませんでした。
 「こりゃ大変だ!」 と、あわてて買い出しに行ってきたわけであります。
 ついでですから、ほかの著書も仕入れてきました。

 新しく入荷した著書は、下記の4冊です。
 『西上州の薬湯』 『あなたにも教えたい四万温泉』 『みなかみ18湯 【下】』
 『ぐんまの里山てくてく歩き』

 残り少なくなりましたが、下記の在庫もあります。
 『尾瀬の里湯』 『みなかみ18湯 【上】』 『金銀名湯 伊香保温泉』


 なお、処女エッセイ 『上毛カルテ』 とベトナム旅行記 『ヨー! サイゴン』 は、畳の床が抜けるほど在庫過多となっておりますので、大量買いをお勧めします。
 格安にて販売いたします。
 在庫処分に、ご協力ください。

 お気軽に、お声をおかけください。
 では、会場でお会いしましょう!
  


Posted by 小暮 淳 at 10:57Comments(2)著書関連

2025年01月27日

満館御礼! 湯とりプラン


 高崎市民のみなさ~ん、コン、ニチ、ハー!! (錦鯉風)

 市内に配布されているフリーペーパー 「ちいきしんぶん」 の1月24日号は、ご覧になりましたか?
 1面の記事、<高崎発ぐんま 湯の里ハイク 番外> を書かせていただきました。

 タイトルは、「送迎バスで行く令和の湯治場」。
 文字通り、JR高崎駅から送迎バスに乗って、相間川(あいまがわ)温泉 (高崎市倉渕町) まで1泊2日のプチ湯治旅をする紀行エッセイです。


 この旅のミソは、ズバリ! 送迎バスにあります。
 旅館の送迎バスと聞くと、ほとんどの場合、団体が対象ですよね。
 でも、なんと! 2名以上の宿泊で送迎してくれるんです。
 しかも、1名でも事と場合によっては相談に乗ってくれるそうです。

 ということで、その画期的な令和的湯治体験をした記事が先週、掲載されました。


 す、す、すると!
 早くも、すごい反響があったと、さっそく連絡がありました。
 なんでも、「ちいきしんぶん」 は発行日の2日前から配布が開始されているそうですが、配布されるやいなや旅館には 「ちいきしんぶん、見た」 という問い合わせや申し込みが殺到したとのことです。

 折しも相間川温泉 「ふれあい館」 では、来月から2カ月間限定のキャンペーンを実施するんですね。
 そのタイトルが、「感謝 湯とりプラン」 です。
 1名様1泊2食付 (税込・入湯税込)、平日も!金曜も!土曜も!一律、ぽっきり10,000円という破格のプランです。

 だからなんでしょうね。
 あっという間に、期間中の土曜日は満館になってしまったという、うれしい報告でした。


 他の曜日は、まだ空きがあるようなので、問い合わせてみてください。



        「感謝 湯とりプラン」

 ●期間/2025年2月1日(土)~3月31日(月)
 ●料金/1名 10,000円 (1泊2食付 2名以上) ※1名は割増
 ●送迎/毎週木曜日、13:30~高崎駅東口 (要予約)
 ●休館/火曜日
 ●問合・予約/相間川温泉 「ふれあい館」 TEL.027-378-3834
           高崎市倉渕町水沼27
   


Posted by 小暮 淳 at 11:07Comments(4)執筆余談

2025年01月25日

おかげさまで SOLD OUT!


 昨日1月24日をもちまして、参加者の申し込みを締め切らさせていただきました。
 たくさんの方からの申し込みがあり、締め切り日を待たずに定員となりました。
 現在、その後に申し込まれた方は、キャンセル待ちの状態となっております。
 申し訳ありませんが、事務局からの連絡をお待ちください。

 ということで以前、ブログでも告知しました群馬県立歴史博物館 「友の会」 主催による令和6年度事業 『温泉ライターと行く 法師温泉』 は、おかげさまでSOLD OUTしました。


 いや~、フタを開けるまではハラハラドキドキしました。
 だって、昨年度は定員割れをして、赤字企画となってしまったのです。
 まあ、少数なりに、じっくりと温泉地をめぐることができたので、参加者からは大変好評だったんですけどね。

 でも主催者側からしたら 「もう少し参加者がいると良かったですね」 という感想をいただいてしまいました。
 講師を引き受けた僕としても、張り合いがないというか、力不足だったというか、反省しきりだったのであります。


 でも今年度は違いました!
 申し込み開始前から、予約が入るほどでした。
 やっぱ、法師温泉というビッグネームだからですかね?

 僕もチラシの解説文の中で、こんなことを書きました。
 <温泉ファンなら一度は行きたい秘湯の一軒宿。>

 それと、こんなことも。
 <「奇跡の湯」 と呼ばれる温泉は、全国でも1%未満という浴槽直下から湧く足元湧出温泉です。>


 理由は何であれ、めでたしめでたし!
 参加者の皆さん、当日は一日、よろしくお願いします。

 雪の法師温泉を楽しみましょうね。
   


Posted by 小暮 淳 at 11:48Comments(0)歴博便り

2025年01月23日

前橋がいっぱい!


 監督が 『テルマエ・ロマエ』 や 『翔んで埼玉』 の武内英樹さんということで、気にはなっていました。
 YouTubeで予告編を観てみたら……

 あれ、あらら!
 見たことある風景が!
 そうそう、ここ前橋じゃん!

 と思って調べてみたら、メインのロケ地は、前橋がいっぱいでした。


 ということで、映画 『はたらく細胞』 を観てきました。
 原作は漫画なんですってね。
 それゆえ物語は、奇想天外でユニークなものでした。

 舞台は、人間の体内。
 細胞を擬人化した世界で、その細胞たちの働きと活躍を描きます。

 ダブル主演で、酸素を運ぶ赤血球役を永野芽郁さん、病原体と戦う白血球役を佐藤健さんが演じます。
 また現実の世界では、阿部サダヲさん、芦田愛菜さんが親子を演じ、2人の体内で無数の細胞たちが健康を守るために日夜働く姿を描いています。

 ストーリーの面白さもさることながら、脇を固めている役者さんたちが、これまた豪華です。
 片岡愛之助さん、山本耕史さん、仲里依紗さん、松本若菜さん……
 深田恭子さんが登場したときには、思わず 「深キョン!♡」 と心の中で叫んでしまいました。
 (恥ずかしながらファンなのです)


 で、上映開始早々、見覚えのある風景が!
 細胞たちの働く様子が映し出されるのですが、前橋市なんですね。
 テーマパークだった旧 「赤城クローネンベルク」 (現・林牧場本社) です。
 懐かしい! このヨーロピアンな建物の街並みを、まだ子どもたちが小さい頃、家族で歩いた思い出がよみがえりました。

 そして、白血球が細菌と戦うシーンでは、これまた見覚えのある建物が!
 2つの塔を結ぶ一本の通路、まるで凱旋門のような外観は、間違えありません!
 そう、前橋が誇る花の楽園 「ぐんまフラワーパーク」 ではないですか!
 これまた家族の思い出が、よみがえって来ました。


 そして極め付きは、赤血球の 「脱核式」 を行うシーンです。
 本場フランス産のステンドグラスが壁面全体を囲み、神聖な空間が広がっています。

 ここも前橋市内がロケ地なんです。
 「ロイヤルチェスター前橋アルフォンソ・教会」 です。


 ズバリ、老若男女誰もが楽しめる、笑いあり涙あり、愛と勇気に満ちあふれた痛快アクション医療エンターテインメント映画です。
 が、群馬県人、特に前橋市民はなら100倍は楽しめること間違いなしの映画です。

 僕は何度も声を出しそうになってしまいましたが、映画は周りの人の迷惑にならないように静かに観賞しましょうね。
   


Posted by 小暮 淳 at 11:18Comments(0)シネマライフ

2025年01月22日

テライブ IN 節分会 2025


 平均年齢62.5歳。
 スーパーローカルオヤジバンド 「じゅん&クァ・パラダイス」 のメンバー4人が、1年ぶりに集まりました。
 目的は、練習。

 そうなんです!
 昨年同様、今年も高崎市吉井町の古刹 「仁叟寺(じんそうじ)」 で開催される節分会にバンドが呼ばれ、ステージに立つことになったのです。


 「とりあえず顔を合わしてさ、音を出してみない?」
 ということでメンバー所有のスタジオに集まったのですが、これが遅々として練習が進みません。

 オジサンは歳を重ねると、オバサン化するのですね。
 とりあえず、お茶しながら、あーぢゃねー、こーぢゃねー、と、おしゃぺが始まると、もう止まりません。

 なんと!
 スタジオに4時間もいて、音を合わせたのは正味30分くらいでした。
 それ以外は、ズ――――ッと、井戸端会議です。


 何をそんなに話すことがあるのかって?
 まあ、月並みですが最初は、病気や健診や通院の高齢者特有の “あるあるネタ” からです。
 やがて最近見たテレビ番組やタレントのゴシップネタをひと通り話し、一番盛り上がったのはポイントカードですかね。
 スーパーや書店、電気屋のポイントカードを見せびらかし、どれが得かの自慢合戦です。

 そしてエンディングは、葬儀や戒名の話題までおよび、残りの人生をどのように過ごすかまで語り合いました。


 ということで来月、2日の日曜日に野外ライブを行います。
 なんと、今年は2ステージです。
 会場では、著書の販売もします。

 友人知人、ご家族で、お越しください。
 一緒に歌って踊って、御祈願いたしましょう!

 待ってま~す!



        仁叟寺 (じんそうじ) 「節分会」

 ●日時  2025年2月2日(日)  
       第1回豆まき 14:00~ 第2回豆まき 15:30~
 ●会場  仁叟寺 高崎市吉井町神保1295  TEL.027-387-3080

 ※ライブは第1回と第2回の豆まきの後 (14時半頃~、16時頃~) に開催されます。

  


Posted by 小暮 淳 at 11:11Comments(2)ライブ・イベント

2025年01月21日

情報と知識


 【情報】
 ある事柄に関して伝達(入手)されるデータ(の内容)。
 [通常は、送り手・受け手にとって何らかの意味を持つ(形に並んでいる)データを指すが、データの表す意味内容そのものを指すこともある。さらに、そのデータをもとにして適切な決定を下したり、行動をとったりするという判断材料としての側面に重点を置く場合も多い。また、個別のデータが生のまま未整理の段階にとどまっているというニュアンスで用いられることもあり、知識に比べて不確実性を包含した用語]
 (『新明解国語辞典』 より)


 東京のテレビ制作会社から連絡があり、番組の監修を頼まれました。
 なんでも女性タレント3人が、温泉をめぐりながら群馬を旅する番組だといいます。

 プロデューサーから電話があり、番組の内容説明がされ、意見を求められました。
 その際、「どうせなら、ただ温泉をめぐるだけではなく、群馬ならではの温泉文化や慣習を踏まえた上で温泉地を訪ねてはどうか?」 と提案し、群馬県内の温泉地の分布や成り立ちの特徴なども話しました。

 若い女性プロデューサーは終始、「へー」 とか 「そうなんですか」 と興味津々の様子。
 途中まではメモを取っていたようでしたが、突然、「あの、すみません。この会話を録音させていただいてもいいですか? 会議で使いたいので」 との申し入れあり、一時中断。
 録音機がセットされました。


 電話を切った後、すぐに彼女から、こんなメールが届きました。
 <インターネットには出てこない情報ばかりで、大変参考になりました。貴重な話をありがとうございます>。

 そういえば、会話中でも彼女は 「知りませんでした」 「ネットには出ていないですね」 という言葉を発していたことを思い出しました。
 まあ、制作会社は東京ですからね。
 群馬のことは詳しくないと思います。
 ほとんどの人が、インターネットの情報に頼っているのが現状なんでしょうね。


 でも、インターネットに載っている事柄は、あくまでも “情報” なんですよね。
 辞典にもあるように、情報とは ≪未整理の段階にとどまっている≫ ≪知識に比べて不確実性を包含した≫ ものなのです。

 これに対して “知識” は、行動と経験を伴った実録 (ドキュメント) です。
 時に誤った知識をインプットしてしまうこともありますが、実録である限りウソはありません。
 その人が見て、聞いて、調べた結果の知識なのですから。


 番組は今春からシリーズとして放送されるとのことです。
 群馬を舞台に、どんな 「湯けむり珍道中」 が繰り広げられるのでしょうか?
 楽しみです。
  


Posted by 小暮 淳 at 11:37Comments(5)テレビ・ラジオ

2025年01月20日

ふてほどNGワード


 えっ、本当に令和?
 ここだけ、昭和なんじゃないの?

 そんな錯覚に陥る経験をしました。
 呑み屋での宴でのシーンでした。


 それはそれは、耳を疑うような卑猥で下劣な言葉のオンパレード。
 令和の現代ではもちろんのこと、昭和でもラジオやテレビの放送コードには絶対引っかかる下ネタが、次から次へと飛び出しました。

 えっ、マジか?
 昭和を生き抜いてきた僕でさえ、はばかるような下品なワードを口にする客。
 でも、不思議と不快ではありません。
 いやらしさよりも滑稽さのほうが勝っていて、思わず笑ってしまいます。
 僕だけじゃありません。
 まわりの客も爆笑しているじゃありませんか!

 “パンドラの箱” が開いてしまったようです。


 客は男も女も、50~60代の昭和人間ばかりです。
 もしかして昭和人間は、この手の話題に飢えていたのかもしれませんね。

 昨年の流行語大賞にもなった 「ふてほど」。
 テレビドラマ 『不適切にもほどがある』 では、昭和からタイムスリップした主人公が、令和のコンプライアンス地獄に困惑する物語でした。

 あれもダメ! これもダメ!
 パワハラ、セクハラ、モラハラ、カスハラ、フキハラ……
 何から何まで昭和の常識は、令和の非常識なのです。


 昭和人間は、この生きにくい令和の世の中で、ストレスをため込んでいるのかもしれません。

 でも、ここだけは治外法権。
 一夜限りの昭和を疑似体験できる場所なのです。

 今後、こんな店が増えるかもしれませんね。
 ≪令和人間、お断り≫
 なんていう貼り紙が、されていたりして……
  


Posted by 小暮 淳 at 11:16Comments(2)つれづれ

2025年01月19日

ツイてるね ノッてるね


 今年も18分の1が過ぎました。
 みなさんは、どんな一年のスタートを切りましたか?

 僕は、なんだかノッています。


 たとえば講演会の依頼。
 昨年暮れから予約が入り出し、年が明けてからも自治体や施設から連絡をいただいています。
 なかには、県外からの依頼もあります。
 気の長い話ですが、今年12月の講演まで決まりました。

 それとライブ。
 昨年、コロナ禍を経て4年ぶりに活動を再開したスーパーローカルオヤジバンドです。
 今年も来月2日、ステージに立つことになりました。
 ワクワクが止まりません。


 と思ったら本業のほうでも朗報が!
 暮れに、某温泉旅館から僕の本を販売したいという要望があり、出版元に連絡しました。
 年明けに、出版元より 「納品しました」 との報告をいただきました。

 と思えば、県内の書店と県の施設から 「著書を販売したい」 と矢継ぎ早に注文が!
 これまた出版元に連絡すると、すぐに納品されました。


 いや~、なんだか新年早々、ツイています!
 この調子で、実りある一年にしたいですね。

 たぶん、元日に墓参りをしたからだと思います。
 そして息子が言った、あの言葉が思い出されます。

 「知らない神様を拝むんなら、知っている仏様に手を合わせたほうがいい」


 オヤジの命日が近いので、報告に行ってきます。
 「オヤジ、ありがとう。ノッてるぜ!」
 ってね。
   


Posted by 小暮 淳 at 11:38Comments(2)つれづれ

2025年01月18日

幸せの恩返し


 彼女は長年勤めた職場を辞め、勉強をして資格を取り、昨年から障碍者施設で介護師として働き出しました。
 それだけでも僕は感心していたのですが、その理由を聞いて、涙をこらえることができませんでした。


 彼女との出会いは、かれこれ10年近く前になります。
 そもそも彼女は、僕の読者でした。
 そして、いつか僕に会いたいと思ったそうです。

 どうしたら会えるのか?
 出した答えが、僕が講師を務める温泉講座を受講することでした。
 しかし、僕の講座日は月1回、しかも平日です。
 勤め人の彼女には不可能でした。

 それでも彼女は僕に会いに来てくれました。
 毎月、有給休暇を取ってまで受講してくれたのです。


 時は流れ、彼女は講座で知り合った受講生仲間とともに、会を発足しました。
 僕の読者を集めた 「弟子の会」 であります。
 2カ月に1回、定期的に集まり、酒を酌み交わしながら温泉談議をしたり、人生相談をしたり、時には下ネタ交じりのバカっ話をして笑い転げています。

 発足当初、僕はメンバーに、こんなことを話しました。
 「中国の古いことわざに、こんな言葉があります。“縁ある人は万里の長城をも越えてやって来る”。みなさんは、まさに万里の長城を越えてまで会いにやって来た賢者たちです。この出会いは偶然ではありません。出会うべくして出会った必然だったのです」


 先日、今年最初の例会がありました。
 彼女の語る新しい人生に、誰もが興味津々です。
 障碍者の介護というものが、どんなに大変な仕事なのか?
 想像するに余りあります。

 でも彼女は、楽しそうに嬉々として話してくれました。
 なんで、そんな大変な仕事に、しかも、この歳になってから就いたのでしょうか?
 (僕は彼女の正確な年齢は知りません) 


 その時は訊けませんでしたが、翌日、彼女から僕にメールが届きました。

 <先生やみんなに出会えた私は本当に幸せです。この幸せをを少しだけど恩返しできるように、困っている方の支援に努めます。>

 ケータイの画面が、見る見るうちに涙で歪んでしまいました。


 万里の長城を越えた者は、常に前向きに徳を積み続けているのですね。
 見習いたいと思います。
   


Posted by 小暮 淳 at 12:28Comments(0)つれづれ

2025年01月17日

おめでとう! 法師温泉


 旅行情報誌 『じゃらん』 がレトロ温泉に関する調査を行い、「レトロが魅力の温泉・宿 ベスト10」 を発表しました。

 見事、群馬県の法師温泉 「長寿館」 (みなかみ町) がグランプリに輝きました。
 おめでとうございます!

 ていうか、みなさん納得ですよね。
 温泉ファンなら一度は泊まってみたい秘湯の宿です。


 創業は明治8(1875)年。
 江戸時代の旅籠(はたご)の面影を残す本館、鹿鳴館風の大浴場、そして別館は、国の登録有形文化財に指定されています。
 なによりも浴槽直下から湧き出す、足元湧出温泉は全国でも1%未満という 「奇跡の湯」。
 温泉好きならば、死ぬまでに一度は体感したい温泉です。

 ということで昨年暮れに告知した、僕が運営委員を務める群馬県立歴史博物館友の会主催による出前講座 『温泉ライターと行く 法師温泉』 も、あっという間に予約で満席になるという人気ぶりで、現在、キャンセル待ちの状況です。
 (2024年12月23日 「温泉ライターと行く 法師温泉」 参照)


 ちなみに2位は山代温泉 古総湯 (石川県)、3位は奥つちゆ 秘湯 川上温泉 (福島県) でした。

 まだ未体験の人は、ぜひ 「レトロ温泉グランプリ」 の法師温泉に、いらっしゃ~い!
 みなかみ温泉大使からのお知らせでした。
   


Posted by 小暮 淳 at 11:54Comments(0)大使通信

2025年01月16日

千葉県は温泉不毛地帯なのか?


 千葉県から新聞が届きました。
 送り主は、千葉市在住の新聞記者です。
 彼は昨年春、群馬から千葉に転勤しました。

 群馬では温泉地の記事を担当し、温泉の魅力にハマり、温泉ソムリエの資格まで取っていました。
 そんな彼は、何かにつけ僕に電話かけて寄越し、時には酒を酌み交わし、温泉談議に花を咲かせていました。


 「今度、千葉に転勤することになりました」
 そう告げられた時、僕は正直、「かわいそうに」 と思ってしまいました。
 だって、千葉ですよ!
 温泉好きの彼にとっては、やりがいが萎えてしまうのではないかと……


 すると昨年暮れに、彼から電話がありました。
 「小暮さんも千葉は、温泉不毛地帯だと思いますか?」
 これに対して僕は、自分なりの見解を述べました。

 まず、千葉県には火山がないこと。
 よって自噴する温泉が少ないこと。
 たぶん現存する温泉は、平成以降の掘削により湧いた温泉が多いのではないか?

 これに対して、「ですよね、やっぱり不毛地帯なんですかね」 と、電話の向こうで、しょげている彼の声が聞こえてきました。
 だから僕は、言ってやりました。
 「だから取材のやりがいがあるじゃないか! 徹底的に調べて、千葉の温泉記事を書いたらセンセーショナルだと思うよ」


 そして先日、1月1日付の新聞が送られてきました。
 2分の1面を割いた大きな特集記事です。

 シリーズ 『こてらんね ~千葉は宝のもちぐされ?~』

 「こてらんね」 とは、房州弁で 「たまらない」 「最高」 といった意味の方言だそうです。
 千葉県は、東京ディズニーランドと成田空港、ピーナッツ、チーバくん、だけじゃないんだぞ! という記者の気概が感じられるタイトルです。

 で、第1回を彼の温泉記事が飾りました。


 彼は千葉の温泉ついて、つぶさに調べています。
 僕の知らないことだらけでした。
 たとえば、温泉地の数は83カ所 (2023年3月末) で全国10位だそうです。
 「へ~! そうなんだ!」 と、ちょっと驚きです。
 群馬と大差はありません。

 なのに温泉県のイメージが薄い千葉県。
 なぜなのか?
 その謎に、記事はメスを入れて行きます。


 M記者、続編を楽しみにしています。
 いい温泉がたくさんあるのに、「温泉県」 になれない千葉県の秘密を解き明かしてください。
 温泉ソムリエ記者だからこそ書ける記事です。
   


Posted by 小暮 淳 at 11:25Comments(4)温泉雑話

2025年01月15日

H初め


 遅ればせながら、昨晩、無事に 「H初め」 を済ませました。

 ほらほらほら~!
 またすぐに勘違いをする!

 もしかしてHを 「姫」 だと思ったんじゃありませんか?
 違います!
 それから 「エッチ」 ではなく、「エイチ」 です。
 そう、たびたびブログにも登場する酒処 「H」 のこと。
 「H」 は、その店の頭文字です。


 今年は、だいぶ 「H初め」 が遅くなってしまいました。
 というのも新年早々、ママが熱を出して寝込んでしまったのです。

 「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
 のれんをくぐると、元気なママの声が返ってきました。

 「なに、熱出して寝込んだんだって?」
 「そうなのよ」
 「インフル?」
 「それがさ……」

 実はママは、極度の低体温症なのだといいます。
 平熱が35度くらいのため、36度を超えると体がダルくなり、37度でダウンしてしまう特異体質。
 「暮れからの疲れが出たみたいね」
 「だったら、良かった」
 「ジュンちゃんは、元気だった?」
 と言われたので僕は、こう答えました。

 「元気元気、元気なおサルは、お尻が真っ赤っか~!」

 するとママは、笑いながら言いました。
 「あれ、おサルだったっけ?」
 「そう言われると、なんだか違うような……」
 「でも、“真っ赤っか” は合っているような……」
 「元気なあの子は、ほっぺが真っ赤っか~。かな?」

 とかなんとか、他愛のない会話から今年の “初呑み” が始まりました。


 やがて一人、二人と常連客が姿を現し、いつもと変わらぬにぎやかな宴が始まりました。

 酒は百薬の長、呑んで騒いで、今年も元気に過ごしましょう!
   


Posted by 小暮 淳 at 10:55Comments(2)つれづれ

2025年01月14日

迷えぬ二十歳


 一日遅れですが、二十歳 (はたち) になられたみなさん、おめでとうございます。
 昨日は 「成人の日」 でした。

 なんだか、ややこしいですね。
 すでに成人年齢は18歳に引き下げられていますもの。
 「成人の日」 は18歳を祝うのかと思えば、さにあらず。
 以前同様、20歳なんですってね。

 で、まぎらわしいので、全国の自治体では 「成人式」 とは言わずに、「はたちのつどい」 という名の式典を開催したところが多いようです。


 僕が成人 (20歳) を迎えたのは、ほぼ半世紀前ですからね。
 隔世の感があります。
 いや~、テレビで見ていると、みなさん豪華な衣装に身を包んで、きらびやかであります。

 時代なんでしょうか?
 年々、派手になり、コスプレ化に拍車がかかっているような気がします。

 ところが、インタビューを聞くと、これがビックリ!
 みなさん、大人なんで大変驚きました。


 「介護の仕事に就きたい」 とか 「テレビ番組の制作をしたい」 と、具体的に人生の設計を立てています。
 と思えば、「仕事よりもプライベートを重視したい」 「多様性を重んじたい」 なんていう声も聞かれました。

 そして、一番多かったのが、両親への感謝の言葉でした。
 そんなこと言われたら、お父さんお母さんは、さぞや嬉しいでしょうね、


 で、ほぼ半世紀前に成人した僕が見た今どきの20歳は、実に真面目で平凡だということです。
 見た目は派手なのに、中身は真逆なんですね。
 なぜ、こんなに良い子たちが増えているのでしょうか?

 一説には、SNSの普及が挙げられています。
 昔の20歳に比べると、圧倒的に情報量が多いんですね。
 早い話が、“耳年増(みみどしま)” になっているということ。


 本当は、未来なんて見えないほうがいいんですけどね。
 「大人になると、こうなる」 的な情報が、知らず知らずに刷り込まれているのかもしれません。
 だって、こんなことを言う20歳が、何人もいたんですよ!

 「年金が心配です」
 ア然としました。


 ちなみに、なぜ、二十歳を 「はたち」 というのか、ご存じですか?
 所説あるのですが、こんな語源をみつけました。

 人が手と足の指を使って数えられる最大の数が20です。
 数えられる 「果て」 の数字という意味で、「はて」 → 「はた」 → 「はたち」 になったといいます。


 20歳が果てだなんて、もったいない!
 人生100年時代に、20歳なんて、まだまだ世の中では赤ん坊です。
 情報などに迷わされず、未知の可能性を夢見てほしいものです。

 とりあえず、おめでとう!
 迷いながら翔べ、若人たちよ!
   


Posted by 小暮 淳 at 11:55Comments(0)つれづれ

2025年01月13日

おかげさまで25周年


 週末の2日間、仕事場にこもって、パズルを作っていました。

 パズル?
 ええ、そうなんです。
 僕は、パズル作家でもあるんです。


 高崎市民のみなさん、いつも大変お世話になっております。
 上毛新聞社の週刊紙 「TAKATAI (タカタイ)」 (高崎タイムス) の紙面で、熟語パズルを担当している 「スタジオJ」 です。
 「スタジオJ」 は僕の屋号でもあり、ペンネームでもあります。

 このコーナーで、「二字熟語パズル」 と 「四字熟語パズル」 を週替わりで交互に掲載しています。
 第1回の掲載は2000年2月ですから、なななんと! 今月でパズル連載が満25年を迎えました。

 25年ですよ!
 凄いと思いませんか?
 なかなか四半世紀続く連載って、ないと思います。
 もちろん、自己最長連載記録を更新中です。


 で、いったい今までに、いくつのパズルを制作してきたのだろうか? と思い、あらためて調べてみました。
 すると、先週金曜日の掲載で、なななんと! 1,146回であることが分かりました。
 まあ、週刊で25年続けているわけですから、それくらいの数になるわけです。

 いよいよ、来月から26年目に突入します。
 その記念すべき2月分のパズルを作るために、2日間、缶詰めになっていたのです。


 パズル制作には、僕が25年間愛用している頼もしい同志たちがいます。
 はい、さまざまな辞書・辞典の類いです。

 国語辞典、百科事典はもちろんのこと、漢和辞典、英和辞典、和英辞典、カタカナ新語辞典……
 ちょっと変わったところでは、類語辞典や逆引き辞典なんていうのもあります。

 類語辞典は、一つの言葉を調べると、同じような意味の別の言葉がいくつも出てきます。
 逆引き辞典は、その名の通り、言葉をさかさまに引きます。
 たとえば、「温泉」 ならば 「んせんお」 と引くんです。
 すると、「泉」 という漢字が最後に付く熟語を探し出すことができます。
 熟語パズルを作るうえで、大変重宝しています。


 というわけで、今年もライターとパズル作家の “二刀流” で、変化球を投げ、長打を飛ばしたいと思います。
 今後ともよろしくお願いします。
  


Posted by 小暮 淳 at 11:13Comments(0)執筆余談

2025年01月12日

なぜ令和の時代に紙芝居なのか?


 昭和30年代生まれの僕でさえ、紙芝居を街頭で見た記憶はありません。
 だもの、“昭和レトロ” といっても、かなり限られた世代の昭和の記憶なのです。

 では、なぜ、そんなに古い昭和の娯楽を、令和の現代に復活させたのでしょうか?


 僕は2021年の1月から、街頭紙芝居のお手伝いをしています。
 きっかけは、同級生の紙芝居師から 「地元群馬の民話や伝説を題材にしたオリジナル紙芝居を作りたい」 との相談を持ちかけられたからでした。
 第1作は、のちにテレビ番組 『ナニコレ珍百景』 でも登録された伊勢崎市の浦島太郎伝説でした。

 街頭紙芝居というレトロ感と、浦島太郎という奇抜さがウケたようで、新聞やテレビなどのマスコミにも取り上げられ、話題となりました。


 では、なぜ、こんなにもアナログな大道芸が、令和の現代に支持されたのだしょうか?

 僕は3年間の活動を通して、知らられざる街頭紙芝居の魅力に気づきました。
 それは、エンターテインメント性です。

 紙芝居は 「話す」 「演じる」 という演者のパフォーマンスだけでなく、観客も 「見る」 「聴く」 だけではなく、声を出して参加する相互交流型の娯楽なのです。
 さらに、最大の魅力はオールマイティーな年代が参加できる今時、珍しい娯楽だと思います。
 紙芝居を知っている年配者には懐かしく、知らない大人にも昭和を感じられ、まったく未知の物として体験する子どもたちにとっては、逆に新鮮でテーマパークのようなワクワク感があります。

 時に子どもたちは、自作の紙芝居やクイズを持ってきます。
 これが、面白い!
 子どもの発想って、どこまでも自由なのだと感心します。


 現代人は、ほとんどのことをスマホ一つで解決してしまいます。
 人と人のコンタクト、商品の発注、そしてゲームなどの娯楽……
 でも、すべてがインドアなんですね。

 令和の人たちは、昭和の人たちに比べると、どんだけ不精になったんでしょうか?


 今年も僕らは、街頭紙芝居の活動を続けます。
 寒い日も暑い日も、雨の日でも上演しています。

 それは老若男女問わず、みんなの喜ぶ笑顔が見たいから!

 今年も 「神社かみしばい」 および 「玉村かみしばい」 を、よろしくお願いいたします。



     「神社かみしばい」 新春スペシャル公演
      ~おめでたい壽獅子頭舞が登場!~
 
 ●日時  2025年1月25日(土)、26日(日)
       10時、11時、12時、13時
       ※屋外開催 (悪天候時は室内)
 ●会場  伊勢崎神社 境内 (群馬県伊勢崎市本町21-1)
 ●入場  投げ銭制 ※ペイペイ可
 ●問合  壽ちんどん宣伝社 TEL.090-8109-0480

       ※小暮は26日のみ在社します。
  


Posted by 小暮 淳 at 11:52Comments(2)神社かみしばい

2025年01月11日

昭和のカレーうどん


 みなさんは、最初に食べたカレーうどんって、覚えていますか?
 僕は覚えています。

 小学生の中学年頃だったと思います。
 母親と “おまち” (中心商店街) に買い物に行ったとき、老舗のそば屋で生まれて初めてカレーうどんを食べました。
 まだカレーライスが物珍しかった時代です。
 そのカレーが和風味になって、しかも、うどんの汁になって出てきたのですから、衝撃的でした。

 「うまかった!」 
 あの味覚が、ズ―――――ッと脳裏に、こびり付いたまま大人になりました。
 たから今でも、おいしいカレーうどんとは、母親と食べた、あのカレーうどんの味なのです。


 今でも無性にカレーうどんが食べたくなる時があります。
 とりあえず、手身近な店で食するのですが、毎回、「なんか違う」 と思ってしまいます。
 みんな、おいしいんですけどね。
 僕には、なんだか、おいし過ぎるんですよ。
 スパイシーで、ちょっと高級感があるカレーうどんが多いような気がします。

 僕が食べたいのは、昭和40年代の味がする、ちょっと粉っぽくって、全然辛くない、黄土色のドロドロの汁がかかった、あのカレーうどんなのです。


 一軒だけ前橋市内に、僕の記憶の中のカレーうどんの味に近い店があります。
 先日、意を決して、何年かぶりに入りました。

 なんで、意を決する必要があるのか?
 それも、数年ぶりなのか?

 ええ、理由は簡単です。
 とにかく、待たされるからです。


 国道50号沿いの 「S屋支店」 は、店構えからして昭和チックです。
 いつからあるのかは知りませんが、30年前から通っているので、それ以上古いと思います。

 店の入り口には、こんな貼り紙があります。
 <本日はご来店いただきありがとうございます。誠に申し訳ありませんが、現在、混雑中につき、ご注文・ご提供までにお時間をいただきます。>
 もちろん、承知の上で僕は入りました。


 昼時は、とうに過ぎているというのに店内は、ほぼ満席状態です。
 テーブル席が8つ、座敷が3つ。
 2席空いていましたが、テーブルの上には、まだ食べ終わった人の丼が残されていました。

 「今、片づけますからね」
 と、高齢の女性店員。
 カウンターの中には、やはり高齢の男性が一人で動き回っています。

 老夫婦だけで商っている、昔ながらのそば屋なのです。
 が、そばをすすっている客なんて、一人もいません。
 見渡せば、食べている人の全員がカレーうどんです。

 いつしか、この店は 「カレーうどんのS」 と呼ばれる、カレーうどん好きの聖地となっていたのです。


 案の定、注文してから提供されるまでに要した時間は、なんと! 約40分!
 これが、食べたいけど、なかなか行けない店である理由なんです。

 でも、待った甲斐はあります。
 まず、その容姿に誰もが驚きます。
 丼からあふれんばかりのカレー汁が、ふあれることなく、てんこ盛りとなって、見事な表面張力のアーチを描いているのです。

 具は、鶏肉のみ。
 小皿で、ネギの薬味が添えられています。
 これぞ、「カレー南蛮」 の王道です。
 (南蛮とは、長ネギのこと)


 「ああ、この味、この味」
 この、ちょっとチープな粉っぽさが、懐かしい昭和の思い出を連れてきます。

 おいしいか?
 と問われれば、「おいしいです」。
 一番おいしいカレーうどんか?
 と問われれば、まだまだ、たくさんおいしい店は世の中にあります。
 でも、どこのカレーうどんが好きか? 
 と問われれば、僕は迷わず、ここのカレーうどんを挙げます。

 これって、味のレベルじゃないんですね。
 個人的な思い出のスパイスの量なんですよ。


 「ごちそうさまでした」
 と、お勘定の時に声をかけたら、おばちゃんは、
 「待たせちゃって、ごめんなさいね」
 だって。

 いいんだよ、おばちゃん。
 思い出に会いに来ているんだからさ!


 時間に余裕のある人だけ、行ってみてください。
   


Posted by 小暮 淳 at 12:09Comments(4)つれづれ

2025年01月10日

群馬県民のギャップ


 僕は長年、フリーランスで仕事をしているので、サラリーマンのように 「おこづかい」 をもらっては生活をしていません。
 仕事がない時期はギリギリまで節約をして、質素に暮らします。
 大きな仕事が入って、まとまったお金が入った時は、バーッと豪快に使ってしまいます。

 まあ、一言でいえば 「どんぶり勘定」 です。
 それでも、なんとか、この歳まで生きてきました。

 だから正直言って 「おこづかい」 のことって、よく分からんのです。


 新聞によると、ソニー生命保険が発表した 「47都道府県別生活意識調査」 で、なななんと! 1カ月の 「おこづかい額」 部門で、群馬県が3万650円で全国3位だったそうです。
 1位は東京都で3万7650円、2位は神奈川県で3万1450円でした。

 ちょっと、ビックリです。
 1位と2位は納得ですが、物価の安い群馬県のお父さんたちの使えるお金が多いのって、なんででしょうか?
 所得額が多い?
 そんなバカな!
 大都市圏には、及びませんって!


 一方で、こんなデータ結果があります。
 同じ調査で群馬県は 「生活のゆとり具合」 で、岩手県と並び最下位でした。

 これって、どういうことなんでしょうか?
 「こづかいは多いが、ゆとりはない」 って、なんとも矛盾した結果であります。
 ということは、群馬県民は他県民より出費が多いということ?

 群馬は全国屈指の車社会です。
 ローンや維持費、燃料代などが生活を圧迫しているのかもしれませんね。


 この物価高の折、3万円のおこづかいでは厳しいでしょうね。
 1日千円では、ランチもままなりません。
 最近は、ラーメンでも平気で千円超えますからね。

 みなさん、どうやって、やり繰りをしているのでしょうか?


 つくづく不思議な県民だと思いました。
  


Posted by 小暮 淳 at 11:44Comments(2)つれづれ

2025年01月09日

まだ空席があります


 群馬県立歴史博物館 「友の会」 事務局より連絡がありました。
 現在、参加受付中の出前講座 『温泉ライターと行く 法師温泉』 の応募状況についてです。
 すでに昨年度を上回る応募が寄せられているとのことでした。

 早々に申し込まれた方々には、お礼を申し上げます。


 定員には若干の余裕があるとのことです。
 まだ間に合います!

 冬景色の中にたたずむ秘湯の一軒宿。
 文人たちが愛した極上の湯に、一緒に入りませんか? 



    群馬県立歴史博物館 友の会 令和6年度事業 (県内見学会)
            温泉ライターと行く 「法師温泉」

●日時/令和7年2月8日(土)
●コース/群馬の森(東奥駐車場)集合(9:00)~出発(9:10)~前橋駅南口・東横イン前付近(9:30)~みなかみ観光協会~法師温泉「長寿館」(昼食、入浴)~散策~出発(15:00)~群馬の森(16:30)帰着予定。
●講師/小暮 淳 (温泉ライター、友の会運営委員)=車中及び現地で講義
●参加費/会員1万円(バス代、入浴・昼食代込み、参加者には講師著書をプレゼント)
 ※会員以外は1万2千円(会員になることをおすすめします)
 ※参加費は車中で徴収します。
●定員/25人(中型バス使用、応募多数の場合は申し込み順)
●締切/令和7年1月24日(金)消印有効
●申込/通常はがきに下記をご記入の上、お申込みください。
 ※裏面に①見学会名【 法師温泉の旅】②会員番号(会員外は一般と記入)③氏名④住所⑤生年月日(会員以外)⑥電話番号または携帯番号⑦緊急連絡先⑧乗降希望場所(① 群馬の森、②前橋駅南口)
●宛先/群馬県立歴史博物館友の会事務局、〒370-1293 群馬県高崎市綿貫町992-1
●問合/「友の会」 事務局 TEL.070-2636-0560 (水曜日 14:00~16:00、ショートメール随時)
       (企画担当/桑原 TEL.090-1777-4892)
  


Posted by 小暮 淳 at 11:19Comments(0)歴博便り

2025年01月08日

5,000歩以上は歩きません


 「その後、ヒザの具合は、いかがですか?」
 昨年の暮れから何人もの人に、声をかけていただきました。
 みなさん、ブログを読んでくださっているのですね。

 ご心配いただき、ありがとうございます。
 治療は順調に進んでいて、回復に向かっています。


 昨年11月、左ヒザの痛みに耐えかねなくなり、検査したところ、変形性膝関節症と診断されました。
 その日から毎週、ヒザにヒアルロン酸注射を打ち続けてきました。

 おかげさまで歩行には難なくなり、リハビリの成果もあり、かつての日常を取り戻しつつあります。
 注射も週1回から2週に1回となりました。


 昨日、今年最初の診察を受けました。
 担当医は、僕の息子くらい若い先生です。
 でも毎回、MRIで撮った画像を見ながら、とっても丁寧に症状を説明してくれます。

 「そこに横になってください。痛かったら痛いと言ってくださいね」
 先生は僕の左脚を持ち上げ、曲げたり伸ばしたり、ひねったりして回復の度合いを診てくれます。
 「いいですね。だいぶ良くなっています。このまま頑張りましょう!」
 そう言った後、いつものようにブスッとヒザの関節に、注射針を差し込まれました。

 「ウッ!」
 と僕がうなると、
 「注射は痛いけど、ヒザは良くなりますからね」
 毎回、同じ会話が繰り返されています。


 でも今回は、朗報がありました。
 「次からは、ひと月に1回にしましょう。それで様子を見て、大丈夫なら完治です」

 やったー!
 先生、ありがとうございます。
 ガンバリま~す!


 「リハビリは頑張ってますか?」
 「はい! それと先生に言われたとおり、5,000歩以上は歩いていません」
 「医者の中には、歩けば歩けるほど健康になるようなことを言う人もいますが、私は過剰なウォーキングは勧めません。歩き過ぎはヒザに負担がかかりますので、注意してくださいね。2,000歩から5,000歩内でお願いします」

 ということで、5,000歩以上歩かないように気を付けながら、日々暮らしています。


 昔ならば万歩計を腰に付けて歩いたのでしょうが、今は便利ですね。
 ほとんどの携帯電話に、歩数計の機能が付いています。

 ただね、5,000歩って、かなり微妙な距離なんですよ。
 約4キロです。
 ちょっと外出して、「疲れたな」 と感じると、優に5.000歩を超えています


 ぜひ、みなさんも自分の歩数を計ってみてください。
   


Posted by 小暮 淳 at 11:35Comments(2)つれづれ

2025年01月07日

父からのお年玉


 元日に両親の墓参りをしたからでしょうか?
 オヤジから思わぬプレゼントがありました。


 昨日、かかりつけ医にて健診を受け、薬局に寄りました。
 顔見知りの薬剤師は、僕と同年代の男性です。
 「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
 互いにあいさつを交わしました。

 「どんなお正月でしたか? ゆっくりできましたか?」
 と言ったら、こんな言葉が返ってきました。
 「オヤジの遺品整理に追われていました」

 聞けば、昨年の暮れに彼の父親が亡くなり、暮れも正月もなくバタバタと過ごしていたといいます。
 何よりも大変だったのが、読書好きの父親が残した膨大な量の書籍だったようです。

 「うちも大変でしたが、どうされました?」
 「ええ、おかげさまで本好きの甥っ子が、軽トラで引き取りに来てくれました」
 「それは、よかった! 本って、なかなか捨てられませんものね」

 我が家もオヤジの死後、一年間かけて、アニキと処分したことを思い出しました。


 薬局を出た僕は、その足で、兄夫婦が暮らす実家に、新年のあいさつに立ち寄りました。
 するとアニキから、まるで、先ほどの続きのような話が……

 「この手の本は、お前が読むだろ!?」
 と、2冊の本を手渡されました。
 整理したはずのオヤジの蔵書が、まだ残っていたようです。

 『群馬県の歴史』 山川出版社
 『地名考証 群馬 ―府県名の地名学研究―』 週刊サンデージャーナル


 1冊は、すでに持っている本でしたが、もう1冊は、探していた本でした。
 「へ~、こんな本を読んでいたんだ?」
 「オヤジは歴史が好きだったからな」
 「ありがとう、ありがたく、もらっていくよ」
 なんだかオヤジからお年玉をもらった気分です。

 昨晩は、ウィスキーを片手に、遺本のページをめくりました。
  


Posted by 小暮 淳 at 11:19Comments(0)読書一昧