2013年07月30日
なぜか半沢直樹
なじみの酒処 『H』。
昨晩のお相手は、28年前に中国で出会ったK君。
※(彼との出会いと再会については、当ブログの2013年1月7日「好久不見了!」参照)
いつも時間の約束はしませんが、双方、勝手に自分時間で店に現れます。
僕が店に着いたのは、午後7時過ぎ。
グラスに注がれた生ビールを、半分ほど飲んだところに、K君が登場!
「待ちましたか?」
「いや、まだ1杯目ですよ」
「今日は雨が降ったから、なんとか、しのげますね」
「群馬は2年目だよね。夏の暑さは慣れました?」
K君は食品会社に勤めるサラリーマン。
国内の支店を転々として、昨年、北海道から群馬県へ赴任してきました。
この転勤が、きっかけとなり、僕らは28年ぶりに感動の再会を果たしたのでした。
「だいぶ忙しそうじゃないか! 会議漬けだって?」
と僕が、電話で聞いた彼のグチに触れると、
「それもテレビ会議です。本部と全国の支店をテレビ電話でつないで、一日中・・・」
「一日中?」
「ええ、休憩を入れながら、ずーっとテレビの前で会議です。やっぱり、面と向かって話さないと、コミュニケーションはとれませんよ」
そう言って彼は、まるで心労を流し込むように、グラスの生ビールを一気に飲み干しました。
彼は、支店の最高責任者。
年上の部下を何人も持つ、エリートサラリーマンです。
そして、なぜか話は、最近話題のテレビドラマ 『半沢直樹』 に。
実は僕、このドラマ、最初は観ていなかったんです。
勝手に、銀行員の出世物語だと決め付けていましたからね。
そしたら知人から、「違うよ。自ら、自分の父親を死へ追いやった銀行に入行して、やられたら、やり返す、復讐劇だ」 と教えられ、再放送から観だしたら、ハマってしまいました。
K君は、サラリーマンとして 「分かるんだよな~」 を連発します。
でも、彼には、フリーランスで仕事をしている僕がハマったことが、いささか腑(ふ) に落ちないようです。
「小暮さんには、分からないでしょう? 我々の気持ちが・・・」
と、納得のいかない様子。
だから僕は、言ってやりました。
「だからオレは辞めたんだ! というシーンの連続を楽しんでいるのよ」
「サラーマンって、何なんでしょうね……」
K君の出身は中部地方で、両親は故郷で暮らしています。
奥さんと子どもたちは、県外の関東地方の都市で生活をしています。
家族には月に1回会いに行くといいますが、両親に会えるのは年に1回、正月だけだと言います。
「何のために働いているのでしょうか……」
珍しく、真面目な友人と酒を酌み交わしたものだから、ふだんは不真面目な僕までもが、ついつい真面目に人生を語ってしまいました。
で、僕が彼に言った言葉は、
「仕事なんて、何でも、いいんだよ。要は、今、自分は幸せかどうか? 自分に素直に生きているかどうか? なんじゃないのかなぁ」
やられたら、倍返しでやり返すのもいいけれど、誰もができる人生の選択じゃありません。
仕返しは、必ずしも “復讐” ではなく、“幸福” を手に入れるという選択もあると思うのです。
Posted by 小暮 淳 at 16:08│Comments(0)
│酔眼日記