2018年12月27日
忘れ物はなんですか?
今年もあと4日となりました。
みなさんは、思い残すことはありませんか?
なーんか先週あたりから、胸の奥のほうがモヤモヤしていたのであります。
やり残したことがあるような、忘れていることがあるような……
年賀状は書いたし、お世話になった人へのあいさつ回りは済ませたし、年内にすべき支払いも終えました。
連載中の原稿も、先方に迷惑がかからないようにと、1月分はまとめて早めに入稿しています。
これで完璧だ!
モレはないはずだ。
と、頭の中で指さし確認をしてみたものの、なんか、忘れ物をしているようなモヤ~とした気分が続いていました。
あっ、そうだ!
Hだよ、H!
ご存じ、我らのたまり場、酒処 「H」 での “飲み納め” が、まだだったのです。
えーと、最後にHに行ったのは……
手帳を紐解くと、先週の火曜日です。
でも、あの時は、まだクリスマス前で、年の瀬が押し迫った感覚がなかったため、ママにも常連客にも 「良いお年を」 とは、あいさつをしていません。
きっと、このことが心のどこかに引っかかっていて、モヤモヤしていたのです。
「あら、ジュンちゃ~ん! 来てくれたの。年内は、もう来ないかと思った」
まずはカウンターの中からママが、満面の笑みで迎えてくれました。
「小暮せんせーが来ました~!」
カウンターの奥からは、すでに酔いの回った常連さんが、手を振ってくれます。
隣の席には、“水曜日の男” と呼ばれるダンディー氏が、いつものように洋酒のグラスを傾けています。
「最近、よく、ご一緒しますね」
「なんか、忘れ物をしたようで、来ちゃいました」
「私もですよ」
カンパーイ!
これが今年最後の乾杯になりそうです。
「今年は、どんな年でしたか?」
たった、それだけのテーマで、カウンターの上には、悲喜こもごもの話題が、次から次へと飛び出してきます。
飲むほどに、酔うほどに、グルリ、グルリと今年の出来事が、めぐります。
「今年も本を出されて、いい年だったんじゃないですか?」
出版記念のトークライブにも足を運んでくれたダンディー氏。
「そうですね。親の介護もあったから、相変わらず忙しい年でした」
酔うほどに、語るほどに、刻一刻と今年の終わりが近づいていきます。
「良いお年を!」
「良いお年を!」
三々五々、手を振りながら常連客が、寒空の下へと出て行きます。
「ママ、1年間、ありがとう。楽しかった。良いお年を!」
「こちらこそ、ありがとね。良いお年を!」
深夜の街へ出て、大きく深呼吸を1回。
ううう~っ、寒い!
でも、これで今年は、もう思い残すことはありません。
Posted by 小暮 淳 at 13:00│Comments(0)
│酔眼日記