2022年12月29日
納H ~あなたは誰ですか?~
♪ どこの誰かは 知らないけれど
誰もがみんな 知っている
Hに集まる常連は みんなの味方よ よい人よ
開店早々現れて 閉店過ぎても帰らない
Hの常連は 誰でしょう?
本当の名前は 何でしょう? ♪
(『月光仮面は誰でしょう』 の替え歌)
かずちゃん、ゆうくん、いのっち、よっちゃん、いぐっちゃん、せっちゃん、あっちゃん、みみ、ひろぼう、むく、りっちゃん、ちこ、たかし、ゆうこちゃん、いけちゃん、かずおちゃん、れいこひめ、すみれちゃん……
パッと顔が思い浮かぶ人たちを書き出してみました。
みんな、酒処 「H」 に集まるゆかいな仲間たちです。
でも、みんなで、そう呼び合っていても、ほとんどの人が互いに、それ以上の名前を知りません。
ママが、そう呼んでいるから客同士も顔を合わせると、そう呼んでいるだけなのです。
呑み屋とは、そういうものかもしれませんね。
ちなみに僕は、「じゅんちゃん」 と呼ばれています (そのままです)。
中には、名前ですら呼ばれない人たちもいます。
おひげ、テポドン、座頭市、芳賀団地なんて、完全にあだ名です。
「おひげ」 さんは、ヒゲが生えているからだと思います。
「テポドン」 さんは、カラオケを歌わせると、客が耳をふさぐほどの超音痴なので、ミサイルの名が付きました。
「座頭市」 さんの由来は、よく知らないのですが、どうも勝新太郎のモノマネが上手なようです。
笑っちゃうのが、「芳賀団地」 さんです。
ただ単に、住んでいる団地名ですからね。
これ、みーんな、ママが付けた名前なんです。
で、誰一人、その人の本名を知りません。
名前だけではなく、職業すら知らない人もいます。
思えば、最大のミステリーは、「H」 のママの本名です。
みんな、「Hちゃん」 とか 「Hねえさん」 とか呼んでいますが、誰一人、ママの本名を知る人はいません。
なんだかんだ、そんなこったで 「H」 は、この地で20年も商いを続けています。
定員は、カウンターのみの8席。
だもの、太陽が沈む前に行かなくっちゃ、すぐ満席です。
時には席に座れず、客の後ろで立ち呑みをする強者だっています。
それでも和気あいあいで、いつだって大家族のようなにぎわいです。
そんな 「H」 の年内最後の営業が終わりました。
ママから、こんなメールが届きました。
<今年もあと僅かになりましたね。お正月の気配が年々感じられなくなりました。でも来年も懲りずに笑顔でお仕事しますね。本年も大変お世話になりました。>
こちらこそ、楽しい時間を、たくさんたくさん、ありがとうございました。
ママの手料理とゆかいな仲間たちがいれば、どんな世の中だって乗り切れます。
Hねえちゃん、そして名前を知らない常連客のみなさん、今年も大変お世話になりました。
来年も、大いに吞みましょう!
では、酔いお年を!
Posted by 小暮 淳 at 11:40│Comments(0)
│酔眼日記