2023年07月10日
『夢十夜』 を占ってみました
僕は、夢を見るのが好きです。
人生の目標となる “夢” も好きですが、寝ているときに見る “夢” も好きです。
子どもの頃から朝目覚めたときに、見た夢を日記のように書き留めておくクセがあったくらいです。
だから大人になった今でも、僕は夢を記します。
このブログでも何度か紹介してきました。
摩訶不思議な夢は、僕に何を伝えようとしているのか?
それが知りたくて……
(当ブログのカテゴリー 「夢占い」 参照)
過日、そんな僕のブログを読んだ知人から、こんなメールが届きました。
「まるで夏目漱石の 『夢十夜』 のようですね」
ゆめじゅうや?
タイトルだけは知っていますが、恥ずかしながら僕は、まだ読んだことがありませんでした。
ということで、図書館で借りて来て、すぐに読みました。
『夢十夜』 は明治41(1908)年に新聞連載された短編集です。
そのとき、漱石は41歳。
<こんな夢を見た。>
という有名な冒頭から始まる10話の不思議な夢の話を描いています。
高校の教科書にも載った作品なので、覚えている人も多いと思います。
たとえば 「第一夜」 は、こんな話です。
<こんな夢を見た。腕組みをして枕元に座っていると、あおむきに寝た女が、静かな声でもう死にますという。>
こんな書き出しで始まります。
そして死ぬ間際の女は、「死んだら大きな真珠貝で穴を掘って埋めてください。そして墓の前で百年待っていてください。また会いに来ますから」 と自分に告げます。
女の墓の横で待ち始めた自分は、赤い日が東から昇り、西へ沈むのを何度も見るうちに、女に騙されたのではないかと疑い始めます。
苔の上に座り、丸い墓石を眺めていると、やがて石の下から青い茎が伸びてきて、一輪の真白な百合の花が咲きました。
自分は、白い花弁に接吻をします。
そして気づきます。
百年が過ぎていたことを……。
所詮、夢の話ですからね。
難解なのは仕方ありません。
僕の夢ですら不可解なのですから、文豪が見た夢は、さらに奇々怪々であります。
でもね、現代には 「夢占い」 という文明の利器があるのです。
ちょいっと、漱石さんの深層心理とやらを推測してみたいと思います。
まず、“真珠貝” ですが、これは恋愛運の上昇を意味します。
その真珠貝で墓穴を掘るのですから、愛情の深さを知ることができます。
次に、“墓石” が出てきます。
夢の中での死は再生を意味しますから、過去の悲しい思い出や失敗からの決別を表しています。
生まれ変わりを願っているようです。
最後に、真っ白な百合の花が咲きます。
百合の花言葉は、純潔や無垢、無邪気……。
夢占いでも、純粋、純潔、気高さや品性などの象徴です。
一見、難解な夢のようですが要約すると、愛する人の生まれ変わりを信じている一途な夢であることが分かります。
さすが文豪ですね。
奥深い夢であります。
Posted by 小暮 淳 at 13:38│Comments(0)
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