2024年11月15日
宇宙人の忘れ物
中之条町観光大使からのお知らせです。
というか、先日、呑み会で大変盛り上がったテーマなので、ぜひ、紹介します。
突然ですが、「チャツボミゴケ」 って、知っていますか?
漢字では 「茶蕾苔」 と書きます。
コケの一種で、ウロコゴケ目ツボミゴケ科に属します。
なんといっても、このコケの特長は、その自生している環境にあります。
強い酸性の温泉水が流れる場所のみ育ち、世界中にある約1,800種のコケの中で、最も耐酸性の強いコケなんだそうです。
ふつうの生物ならば生きられない環境に自生しているのですから、ほぼエイリアンのような生き物ですね。
日本国内で自生しているのは、群馬県中之条町(旧六合村) と九州熊本の阿蘇だけ。
中之条町には、日本最大級のコロニーが形成されています。
(平成29年2月に国の天然記念物に指定されました)
僕が 「チャチボミゴケ公園」 を取材で訪れたのは、20年以上も前のことです。
当時はまだ公園として整備されていませんでした。
かつての 「群馬鉄山」 という鉱山の採掘跡地だったんです。
特別に許可を得て、敷地内に入った記憶があります。
「穴地獄」
それが当時の名称でした。
露天掘りによる “窪み” に自生するチャツボミゴケが、緑色のビロードの絨毯を敷き詰めたように、あたり一面を覆っている風景は、まるで他の惑星に不時着したよう。
足元を流れる酸性泉の川から立ちのぼる硫化水素臭が、一層、“地獄感” を高めています。
名の由来は、動物が落ちると出られなくなって死ぬからとのことでした。
「あんな地獄の環境でも生きているチャツボミゴケって、地球外生物じゃねぇ?」
「うん、エイリアンだな」
「じゃあ、なんで地球にやって来たんだろ?」
「そりゃ、宇宙人が連れて来たのさ」
「何のために?」
「ペットなんじゃねぇ?」
「そうか! 帰るときに忘れて行ったんだな」
「あれは、宇宙人の忘れ物だったんだ!」
と一同、納得した次第です。
現在は公園として整備され、誰もが散策できるようになりました。
本州唯一、最大規模の “緑の絨毯” が広がる幻想的な宇宙的光景は、息をのむほど美しく、圧巻です。
まだ未体験の人は、一度、「宇宙人の忘れ物」 を目撃してください。
チャツボミゴケ公園
●場所/群馬県中之条町大字入山13-3
●開園/4月~9月 (8:45~15:30) (10月~11月 8:45~15:00)
●休園/12月~4月下旬 (冬季閉園)
●料金/600円 (小学生以下無料)
●問合/チャツボミゴケ公園 TEL.0279-95-5111
Posted by 小暮 淳 at 12:10│Comments(0)
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