2013年06月19日
真笛 (まこぶえ) の響き
音楽にしても、文筆にしても、僕には師事した人はいません。
なんでも独学で、無手勝流です。
だから基礎がないので、何をやってもモノにならないのです。
ただ、僕には、生き方を教えてくれた “人生の師” と呼べる人がいます。
その人の名は、野村たかあきさん。
前橋市在住の絵本作家であり、版画家であり、木彫家であります。
野村さんに出会ったのは、今から四半世紀以上も昔のこと。
結婚はしていたけど、無職で、主夫をやっていた僕は、平日の昼間の時間を持て余していました。
そんなとき、ひょいと覗いた作品展の会場に、作家としていたのが野村さんでした。
その時、なんだか話が盛り上がってしまい、
「このあと、ヒマ? 飲みに行こうよ!」
な~んて誘っていただき、そのまま夜の街へ。
それ以来、毎日のように平日の昼間は、野村さんのアトリエ兼ギャラリーへ遊びに行っていたのです。
アトリエ兼ギャラリーの名は、「でくの房」。
ふだんは野村さんの作品が常設展示されていますが、年に数回、作家やミュージシャンを呼んで作品展やコンサートを開催していました。
な、な、なにを隠そう!
14年前に、僕も展示会を開催したことがあるんですよ。
えっ、何を描いたんだって?
いえいえ、僕は恥はかいても、絵は描きませんって。
実は、本の出版を記念した 「文章展」 だったのです。
大きな画用紙に、出版したエッセーの文章を筆で書いて、展示したのでした。
今思えば、とても恥ずかしい展示会でしたが、本は飛ぶように売れました。
で、「でくの房」 は、僕の展示会を開いた年を最後くらいに、ギャラリーは休館。
野村さんのアトリエとしてのみ、使用されていました。
が!
このたび、
沈黙をやぶって、久しぶりに、あの空間で、コンサートが開催されます。
「鼓童(こどう)」 の真笛(まこぶえ)奏者、山口幹文さんです。
<鼓童>
鼓童太鼓を中心とした伝統的な音楽芸能に無限の可能性を見出し、現代への再創造を試みる集団。1981年「鼓童」結成、ベルリン芸術祭でデビュー。1年の3分の1を海外、3分の1を国内、3分の1を拠点の佐渡で過ごす。これまでに訪れた国は46ヶ国。クラシック、ジャズ、ロックなど異ジャンルの優れたアーティストたちと共演し、世界中の芸術関係者から注目を集めている。2012年、芸術監督に歌舞伎俳優(人間国宝)の坂東玉三郎を迎える。
<山口幹文>
茨城県出身。1980年「佐渡の國鬼太鼓座」に入座。笛を独学で習得し、太鼓集団の中で確固たる笛の表現を確率。笛の他、作曲や演出などを担当。ハリウッド映画の音楽監督、演劇への楽曲提供等も行う。2009年、佐渡の真竹で作られた真笛(まこぶえ)の豊かな響きで、国内外の民謡からオリジナル曲まで幅広い演奏曲を収録したアルバム「一管風月」を発表。鼓童名誉団員。
一 管 風 月 コ ン サ ー ト
●日 時 2013年6月21日(金)
開場 18:30 開演 19:00
●出 演 鼓童 ・ 山口幹文(真笛)
●料 金 前売 2,500円 当日 2,800円
●会 場 でくの房
群馬県前橋市朝日町4-1-18
●問 合 でくの房・野村たかあき TEL.027-243-7061
Posted by 小暮 淳 at 22:23│Comments(0)
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