2014年12月25日
深夜の不審人物
「先生、今度、飲みに行きませんか?」
先日の温泉講座日に、受講生のTさんから誘われました。
Tさんは、今年の4月から受講を始めた新入生です。
歳は僕のほうが少し上ですが、同世代です。
話を聞けば、前々から僕の本やコラムの読者で、温泉講座のことは、このブログで知ったとのこと。
温泉が大好きで、誰よりも熱心で、毎回、僕の隣で温泉の話をしている優等生であります。
「メリークリスマス!」
いつもの酒処 『H』 で、ママとTさんと、ワインで乾杯!
「クリスマスイブに来るっていうから、てっきり女性と同伴だと思ったわよ」
とママ。
「女性は、もう飽きたの。今日は “彼氏” と、ゆっくりイブの夜を過ごすんだから、ほっといてよ」
と、カマっぽく答える僕。
夜が更けるのも忘れて、Tさんと温泉三昧の熱~い話に酔いしれました。
午前0時、師走の繁華街。
Tさんと店の前で別れ、ほろ酔い気分で歩く僕。
いつもは閑散としている前橋の街も、クリスマスイブの夜だけは、人が出ていました。
街灯のない、暗い裏道へ入り込んだ時です。
前方から大きな箱を抱えた影が近付いてきました。
とっさに身構える僕。
すると・・・
「暗闇の中、すみません」
「(ドキッ!)」
「野菜を買ってくれませんか?」
「えっ?」
背の高い若い男性が、箱の中を僕に見せました。
暗くて、何が入っているかよく分かりません。
「野菜?」
「はい、売れ残っちゃったんで、買ってくれませんか?」
あまりにも不気味だったので、丁重にお断りして、家路を急ぎました。
国道を渡り、閑静な住宅街に差しかかった時です。
前方から街灯に照らされる、人影・・・
小柄で、フードの付いたコートを着ています。
胸には、スマートフォンらしい明かりが揺れています。
僕が避けようと道の右側に寄ると、その人も右に寄ります。
左に寄れば、左に寄ります。
<ヤバイ! 刃物を持っているかもしれない>
またもや身構え、両手のコブシを握り締めました。
と、その時です。
「あの~」
か細い女性の声がしました。
「えっ、はい・・・」
「あの~、このへんに、警察の立ち入り禁止のテープが張られた家はありませんか?」
「えーーー、??????」
<何を言ってるんだ、この女は?>
「テープって、殺人事件があった時に張られるテープですか?」
「はい、火事現場でもいいんですけど」
もう、何がなんだか分かりません。
「探して、どーするの?」
と、今度は僕が問い詰めました。
すると・・・
「知らないなら、いいんです」
そう言って、僕の前から立ち去ってしまいました。
午前0時、クリスマスイブの夜。
いったい、この街で、何が起きているのでしょうか?
Posted by 小暮 淳 at 17:17│Comments(2)
│酔眼日記
この記事へのコメント
野菜の方はなんとなく察しがつきます。おそらく果物売りの亜種ですね。
Posted by 古市場 at 2014年12月25日 20:26
古市場さんへ
ですね。
野菜のほうは、僕もなんとなく察しがつきます。
でも、女性の行動が理解できません。
もしかして、たった一人で心霊スポットめぐりをしていたのでしょうか?
ですね。
野菜のほうは、僕もなんとなく察しがつきます。
でも、女性の行動が理解できません。
もしかして、たった一人で心霊スポットめぐりをしていたのでしょうか?
Posted by 小暮 淳
at 2014年12月26日 11:01
