2018年01月20日
風は西から
「“西方風来” って?」
「湾に西からの風が吹くと、船は沖へと出られるんだよ」
「ほう、いい言葉だ」
友人の水彩画家・久保繁が、新年恒例の個展を今日から開催します。
2003年からですから、今回で16回目を数えます。
ただただ、感心します。
彼は小学校と中学校の同級生です。
大人になってからは、いったん音信が途切れたこともありましたが、30代に再会をして、それからは公私共に親交を深めてきました。
※(詳しくは、当ブログの2017年1月21日 「画家18年生」 参照)
現在彼は、前橋と逗子のアトリエを行ったり来たりの生活を続けています。
毎年、春から夏にヨーロッパを旅して、絵を描きためて、東京や鎌倉のギャラリーで個展を開いています。
それでも彼は、必ず年明けには、故郷である前橋から作品展をスタートするのです。
今回も全26点の風景画が、展示されています。
舞台は、イタリアと鎌倉。
「今回は日本の風景が多いね?」
「うん、鎌倉の海が気に入っちゃってね。サーフィンも始めたんだ」
「サーフィン? 似合わんなぁ~」
「そんなことはないよ(笑) 昨日も仲間と海に出て、夜は呑んでた」
「で、今日も前橋で呑んでいるわけだ。相変わらずだな」
「ああ、変わりようがない(笑)
昨晩は、会場にてオープニング内覧会があり、その後のパーティーに出席してきました。
主催者の画廊主のあいさつの後、作家本人のスピーチがあり、いよいよ乾杯なのですが……
突然、打ち合わせもなく彼から、
「ジュン、やってくれよ」
との無茶ぶり指名をもらってしまいました。
仕方なく、簡単な自己紹介をさせていただきました。
「それでは、ますますの久保先生のご活躍を祈念しまして、カンパ~イ!」
立食のパティーでしたが、僕らはまたいつものように、よく語り、よく呑み、よく笑い合いました。
「たいしたもんだよ」
「なにがさ?」
「よく続いているよ」
「それは、ジュンも同じだろう」
「オレは、ほかにやれることがないからさ」
「だったら、オレも同じだよ」
還暦間近の白髪頭のオヤジが2人。
なにがそんなに楽しいのだか、終始、笑顔で、ごきげんの様子。
きっと僕らは、いまだに西からの風を待っているのだと思います。
久保繁展 ~西方風来~
●会期 2018年20日(土)~28日(日)
10:30~19:00 (23日火曜休廊・最終日は17:00まで)
●会場 画廊 「すいらん」 前橋市文京町1-47-1 TEL.027-223-6311
Posted by 小暮 淳 at 12:01│Comments(0)
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