2022年11月10日
ミルコト+ミエナイコト=サワルコト
会場に一歩足を踏み入れて、驚いた!
目の前の観客がしゃがみ込んで、床に展示されている作品を素手で触っているのです。
一般の展示会では、あり得ないことです。
<作品には手を触れないでください>
そう注意書きが貼られているのが常です。
でも、ここは違いました。
「ああ、そういうことなのか……」
最初に感じた違和感は、すぐに心地よい手の感触ともに消えて行きました。
一風変わった彫刻展が開催されているというので、行ってきました。
『ミルコト ミエナイコト サワルコト』
この展示会を企画したのは、一般社団法人 「メノキ」 。
代表理事の三輪途道(みわ・みちよ)さんは、群馬県下仁田町在住の彫刻家です。
三輪さんが視力を失い出したのは15年前のこと。
網膜色素変性症という目の難病を発症しました。
時間経過の中で少しずつ視力を失い、昨年暮れには、ほぼ見えなくなったといいます。
彫刻家が視力を失うことは、致命的なはずです。
でも三輪さんは作品を作り続けています。
<『表現する』 という立ち位置になんら変わりはありません。加えて、見えなくなってから 『見えてきたこと』 もたくさんありました。>
と、今回の展示会にコメントを寄せています。
彫刻展は2期構成で、前期は 「三輪途道 個展」 で、すでに終了しました。
現在は、三輪さんの活動に賛同する仲間の作家たちによる 「グループ展」 が開催中です。
このグルーブ展には、当ブログでも紙芝居 『焼きまんじゅうろう 旅すがた』 でお馴染みの絵本作家・野村たかあきさんの作品も出展されています。
野村さんは、絵本作家でもありますが、木彫家であります。
ぜひ、この機会に、見て、触れて、“ミエナイコト” を感じてみてください。
素晴らしい展示会だと、僕は思いました。
『ミルコト ミエナイコト サワルコト』
後期 グループ展
●会期 開催中~2022年12月3日(土)
●開館 午前9時30分~午後5時
●休館 日曜・祝日
●会場 株式会社ヤマト 本社1階 ギャラリーホール
(群馬県前橋市古市町118)
●観覧 無料
●問合 株式会社ヤマト TEL.027-290-1800
<出展作家>
三輪途道、齋木三男、林耕史、野村たかあき、丸尾康弘、カナイサワコ、群馬大学教育学部美術専攻彫刻研究室学生 (敬称略)
Posted by 小暮 淳 at 12:00│Comments(0)
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