2023年01月24日
輝ける才能の片鱗
「月刊○○○の編集長をしていた小暮です」
「あーーッ! お久しぶりです」
イベント終了後に、僕は彼に声をかけました。
約20年ぶりの再会でした。
アーツ前橋 (前橋市) では現在、全国で開催中の萩原朔太郎の没後80年を記念した 「萩原朔太郎大全2022」 の関連企画として 『朔太郎と写真』 展が開催中です。
展覧会では、朔太郎が故郷、前橋を中心に撮影した風景写真に加えて、朔太郎が撮影した同じ場所で時代を超えて新たに撮影した萩原朔美氏の写真、朔太郎のポートレートをモチーフとする吉増剛造氏のポラロイド写真、朔太郎という詩人の痕跡をたどり、制作された木暮伸也氏の写真により構成、展示されています。
※(当ブログの2022年11月30日 「詩人の目 レンズの眼」 参照)
この企画展に関連したトークショーが前橋文学館 (前橋市) で開催さるというので、出席してきました。
『詩人と写真』 と銘打たれたトークショーの出演者は、下記の3人です。
萩原朔美 (映像作家、エッセイスト、多摩美術大学名誉教授、前橋文学館館長)
吉増剛造 (詩人、萩原朔太郎賞選考委員)
木暮伸也 (写真家)
僕が、このトークショーに出席しようと思ったのは、チラシの中に木暮 (きぐれ) 君の名前があったからです。
彼との出会いは、編集者とカメラマンとしてでした。
当時、僕は生活情報誌の編集長をしていました。
撮影現場にも、たびたび立ち会うことがあり、何人ものカメラマンとご一緒しました。
その中でも、異彩を放っていたのが木暮君でした。
確か、彼は僕より、ひと回りほど若かったと思います。
どこが他のカメラマンと、違っていたのか?
僕は写真のことは詳しくないので、感覚的な違いを感じたとしか言えませんが、人物や商品を撮る目線が違っていたと思います。
クライアントの指示通りに、キレイに撮り、スムーズに仕上げるのが商業カメラマンとすれば、彼は常に、被写体を自分の中に取り込もうとしているように見えました。
当時、彼は美術学校を卒業して、現代アートの研究所に入所していました。
すでに、アーティストとして活動していたのです。
商業写真を撮っていたのは、生活のためでした。
あれから20年近い月日が経ちました。
ことあるごとに、彼の名前は見かけていましたが、なかなか会いに行くチャンスがありませんでした。
「これで、やっと会える!」
そう思い、会場へ足を運びました。
現在、彼の作品は、下記の2会場で鑑賞することができます。
ぜひ、お出かけください。
●アーツ前橋 「朔太郎と写真」 ~2023年3月5日(日)
●群馬県立近代美術館 「アートのための場所づくり」 ~4月9日(日)
Posted by 小暮 淳 at 11:41│Comments(0)
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