2010年08月12日
竹ちゃんマンの逆襲
海パンカメラマンことT君あらため、本名:竹沢佳紀こと、通称 “竹ちゃん”。
僕が絶大なる信頼を寄せる、新進気鋭の若手カメラマンであります。
その竹ちゃんが、やってくれました!
野球で言えば、9回裏に飛び出した満塁逆転さよならホームランをかっ飛ばしてくれたんです。
以前、当ブログでも紹介しましたが、来月17日に出版される拙著 『群馬の小さな温泉』(上毛新聞社)の表紙写真は、Y温泉の薄暮の町並みに決定していました。でも、これはディレクターがサンプルで撮影してきた写真の中から選んだものです。よって、すべてのデザインは出来上がっていますが、写真は仮データであり、ダミーの状態だったのです。
本データの入稿リミットは、お盆前!
竹ちゃんは、それまでにディレクターのサンプルどおりの写真を、確実に写さなくてはなりません。
でも、竹ちゃんなら、絶対にやってくれる。そう信じて、撮影日を待ちました。
ところが、竹ちゃんだって売れっ子カメラマンですから、なかなか時間が作れません。
しかも指定は、灯ともし頃の夕暮れ時から日没までと制限されています。さらに鬼のディレクター氏からは、空に青空が残り、灯りがともるという微妙なシャッタータイムを指示されています。
一昨日、取材の帰りにY温泉に竹ちゃんを連れて行き、ロケハンをして来ました。
ディレクターが指示した場所を探し、ためしに三脚を立ててセッティングをしてみます。竹ちゃんは、丁寧に三脚の位置まで撮影して、入念にチェックを重ねて本番に備えました。
「でも、俺、雨男なんですよ…」と不安げに、ぼそりと竹ちゃん。
天気予報は “曇りのち雨”。ロケをした昼間は、天気予報がはずれて晴れていました。
でも、もう時間がありません。この日の夜しか、竹ちゃんのスケジュールは空いていないのですから。
そして、その夜 -------
竹ちゃんはふたたび、Y温泉へ向かいました。アシスタントに奥さんを連れて。
しかし、竹ちゃんからディレクターに悲痛な電話が入りました。
「雨です! それも、どしゃ降りです」
彼の緊張は、ピークに達していたことでしょう。もう、後がないのです。
でも、さすが名ディレクターのK氏です。気転を利かして、竹ちゃんにこう言いました。
「キミの好きに撮って、いいよ」
ピンチがチャンスに転じた瞬間でした。竹ちゃんの本領発揮です。
感性のおもむくままにシャツターを切ったといいます。
昨日、上毛新聞社の出版部にて、上がってきた写真を見ました。
ジーンと目頭が熱くなって行くのがわかりました。
雨が降ったおかげで、石畳が濡れて、街灯の明かりを映してきらめいているではありませんか。
ほの明るい旅館の窓際には、浴衣を着た客人の姿が旅情たっぷりに写り込んでいます。
竹ちゃん、やったね! 最高傑作だぜ!
雨男の勝利だね。
ぜひ、みなさん。書店で彼の会心のショットを見てあげてください。
僕が絶大なる信頼を寄せる、新進気鋭の若手カメラマンであります。
その竹ちゃんが、やってくれました!
野球で言えば、9回裏に飛び出した満塁逆転さよならホームランをかっ飛ばしてくれたんです。
以前、当ブログでも紹介しましたが、来月17日に出版される拙著 『群馬の小さな温泉』(上毛新聞社)の表紙写真は、Y温泉の薄暮の町並みに決定していました。でも、これはディレクターがサンプルで撮影してきた写真の中から選んだものです。よって、すべてのデザインは出来上がっていますが、写真は仮データであり、ダミーの状態だったのです。
本データの入稿リミットは、お盆前!
竹ちゃんは、それまでにディレクターのサンプルどおりの写真を、確実に写さなくてはなりません。
でも、竹ちゃんなら、絶対にやってくれる。そう信じて、撮影日を待ちました。
ところが、竹ちゃんだって売れっ子カメラマンですから、なかなか時間が作れません。
しかも指定は、灯ともし頃の夕暮れ時から日没までと制限されています。さらに鬼のディレクター氏からは、空に青空が残り、灯りがともるという微妙なシャッタータイムを指示されています。
一昨日、取材の帰りにY温泉に竹ちゃんを連れて行き、ロケハンをして来ました。
ディレクターが指示した場所を探し、ためしに三脚を立ててセッティングをしてみます。竹ちゃんは、丁寧に三脚の位置まで撮影して、入念にチェックを重ねて本番に備えました。
「でも、俺、雨男なんですよ…」と不安げに、ぼそりと竹ちゃん。
天気予報は “曇りのち雨”。ロケをした昼間は、天気予報がはずれて晴れていました。
でも、もう時間がありません。この日の夜しか、竹ちゃんのスケジュールは空いていないのですから。
そして、その夜 -------
竹ちゃんはふたたび、Y温泉へ向かいました。アシスタントに奥さんを連れて。
しかし、竹ちゃんからディレクターに悲痛な電話が入りました。
「雨です! それも、どしゃ降りです」
彼の緊張は、ピークに達していたことでしょう。もう、後がないのです。
でも、さすが名ディレクターのK氏です。気転を利かして、竹ちゃんにこう言いました。
「キミの好きに撮って、いいよ」
ピンチがチャンスに転じた瞬間でした。竹ちゃんの本領発揮です。
感性のおもむくままにシャツターを切ったといいます。
昨日、上毛新聞社の出版部にて、上がってきた写真を見ました。
ジーンと目頭が熱くなって行くのがわかりました。
雨が降ったおかげで、石畳が濡れて、街灯の明かりを映してきらめいているではありませんか。
ほの明るい旅館の窓際には、浴衣を着た客人の姿が旅情たっぷりに写り込んでいます。
竹ちゃん、やったね! 最高傑作だぜ!
雨男の勝利だね。
ぜひ、みなさん。書店で彼の会心のショットを見てあげてください。
Posted by 小暮 淳 at 10:46│Comments(0)
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