2013年08月08日
マイバスに乗って② 居酒屋へ
「たまには、オヤジを連れて、夕飯がてら街へ出てみるか?」
とアニキが言い出したので、昨晩は珍しく、親子3人で飲みに出かけました。
3人で飲むのは、ほぼ1年ぶりです。
昨年の9月に、やはりオフクロが入院した時に出かけました。
でも、あの時と違い、昨日は猛暑日。
夕方5時を過ぎても、まだ前橋市内は気温が30度以上もあります。
さすがに、健脚なオヤジでも歩かせるわけにはいきません。
ということで、僕らは 「マイバス」 を利用することにしました。
マイバスとは、前橋市内をグルグルと走り回っている循環バスです。
北循環と南循環があり、実家のすぐそばを南循環バスが通っています。
以前からオヤジと散歩へ出かけた際に、街の中から帰りに乗ることはあっても、行きに利用するのは初めてのこと。
アニキにとっては、マイバスに乗ること自体が初体験です。
バス停に立つ、オヤジとアニキを見て、笑ってしまいました。
だって、ネコバスを待っているサツキとメイなのですから!
と、いうことは、僕がトトロっていうことですかね(笑)
とても、のどかな光景であります。
暮れなずむ住宅地を縫うように走る小型バス。
その中で、89歳になる老いた父親と60歳と50歳を過ぎた2人の息子が、揺られています。
<次は、前橋駅北口>
ここで、ほとんどの乗客が降りました。
若い女性や学生が、急ぎ足で駅の改札口へ向かっていきます。
一般の路線バスに比べると、幹線道路を通らずに、あえて住宅地の中をクネクネと走り回るマイバスは、同じ場所へ行くのにも倍以上の時間がかかります。
でも、その分、どこまで乗っても一律100円というのが魅力。
特に、この猛暑です。
100円で涼みながら移動ができるのですから、市民はとっても重宝しています。
<次は、坂下>
「ほら、じいさん、押して!」
ピンポ~ン!
<次、止まります>
「足元に気をつけてくださいね。ゆっくりで結構ですよ」
運転手さんに見送られて、杖をつくオヤジと一緒に、一歩ずつ乗降口を降りました。
「おお~、これはこれは、親孝行な息子たちの登場だ~!」
のれんをくぐると、マスターのやさしい声に出迎えられました。
「おとうさん、お久しぶりです。元気そうですね。さあ、奥へどうぞ!」
と通されて、カウンターの奥に、僕、オヤジ、アニキの順で座りました。
おでんとやきとりの店 「K」。
僕ら兄弟が、かれこれ30年近く通っている居酒屋です。
だから常連客は、みーんな顔見知り。
「ジュンちゃん、この間、新聞に載ってたね。温泉の講演したって!」
「今日の新聞、読んだよ。“0泊2食” の記事さ」
って、次々に声をかけてくれます。
「オヤジの長寿に、カンパ~イ!」
とアニキが音頭をとれば、マスターも常連客たちも、一緒になってグラスを挙げてくれます。
「じいさん、美味しいか?」
「ああ、おいしいね」
「じいさん、幸せだろう?」
「ああ、幸せだ」
するとアニキが、
「だったら、もう、いつ死んでもいいだろう?」
と言うと、つられてオヤジが、
「ああ、いつ死んでもいいよ」
と、ポロリ。
すると今度は、
「こら! この親不孝者が! なんてことを言う!」
と、マスターがアニキを一喝。
そして、店内に、笑いが起きました。
マスター、常連客のみなさん、ありがとうございます。
また、オヤジを連れて飲みに来ますよ。
かなり、とんちんかんなボケ老人ですが、末永くよろしくお願いしますね。
Posted by 小暮 淳 at 19:07│Comments(0)
│酔眼日記